03


翌日目を覚ましたナナが寝室から出ればレオンと見知らぬ男が二人いた
一体何事かと見ているとレオンがこちらに気がついて優しく声をかけてきた

「おはようナナ。よく眠れたか?」
「えぇ…あの人たちは?」
「……刑事だ」
「警察…?何の用なの?」
「初めましてナナさん、起きたばかりですみませんがさっそくお話を聞かせてもらえませんか」

警察が自分に話を聞きに来るとはどういうことなのか?
もしかして記憶喪失になっていることと何か関係があるのだろうか?
戸惑っているナナの代わりにレオンが口を開いた

「さっきも言っただろ?彼女は記憶喪失になっていて何も覚えていないんだ」
「"犯人"は今も目を覚まさない…となれば例え記憶を失っていても彼女に聞きだすのが我々の仕事なんです」
「……待って、犯人って…?」

状況がわかっていないナナの様子を見て刑事はため息をつくとレオンに口を開いた

「まさか話していないんですか?」
「……」
「どういうことレオン?私に何か隠してるの?」
「それは我々から話しましょう……あなたはストーカー被害に合われていたんですよ」
「ストーカー…?」

ストーカーという言葉を聞いてナナの心臓の音が大きく鳴った
何故かその言葉を聞いた途端、無関係ではなかったかのような気がして胸がザワザワとしてきた
胸を押さえるナナにレオンが優しく背中に手を置いた
二人の様子を見ながら刑事はそのまま話を続ける

「あなたは記憶を失くす前からストーカー被害に合われていた。事件当日…恋人のレオンさんとデート中にあなたは犯人に襲われたんです。投げ飛ばされたのかわからないですが床に頭を打った時に記憶を失くしたと思われます」
「襲われた…?私が…犯人に?」

思い出そうと頭を抑える
確かに…事件当日の夜、レオンとデート中に突然男が襲い掛かってきた映像が浮かび上がった
だが犯人の顔はまったく思い出せない

「無理をするなナナ…」
「うん……」
「レオンさんがエージェントで良かったですな。彼のおかげで犯人を返り討ちにできたんですから」
「レオンが……」
「……また来ます。何か思い出したらここに連絡でも下さい」

電話番号のかかれたメモをナナに渡して刑事は出て行く
刑事たちを見送ったナナが部屋に戻れば、肩を落とした状態でソファーに座っていたレオンを見つけて近づいた

「事件の事話さなくてすまなかった…」
「…いいの、気を使ってくれてたんでしょ?」
「……記憶を失っている君にそんな話をするのは嫌だったんだ……それに、俺がちゃんと守ってやれば君は記憶を失わずにすんだのに…」

落ち込むレオンの頭を引き寄せてナナは額にキスをする
命がけで守ってくれたのだろう、自分の事を
誰が彼を攻めるというのか…

「嬉しかった…守ってくれたって聞いて」
「ナナ…」
「今すぐには無理だけど…少しずつ私も思い出していけるように頑張るね」

130815


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