05


エイダを追い詰めた所で同じように彼女を追いかけていた人物と出会った
レオンだ。クリスと銃を向け合っている中でエイダは閃光手榴弾を投げてその場から逃走したのでピアーズがすぐに後を追いかけた

車に乗って逃走したエイダに向けて銃を撃つが届かなかった
ピアーズは悔しそうに唇を噛んで追いかけてきたクリスに声をかけた

「エイダは軍港方面へ逃走!追いかけましょう!」
「ピアーズ」

名前を呼ばれてピアーズはクリスの方を向いた

「俺は…お前の言うようにすべての事から目を背けていたのかもしれない」
「隊長…」
「追いつけるか?」

そう、クリスの表情が優しいものに変わっていた
自分たちが憧れていた姿。家族だと隊員たちに優しく話しかけていた姿
彼はようやく取り戻したのだ本来の自分を
これで胸を張ってクリスと彼女の元へ帰ることができるとピアーズは嬉しそうに微笑んだ


* * *

――連れて帰ると約束したんだ

「ピアーズ!何をしてるんだここを開けろ!!」

脱出ポッドの扉を何度も叩くクリスを横目にピアーズはレバーの方へと足を進めた

「諦めるなピアーズ時間はまだある!二人でここを出るんだ!」

無理だ隊長
あんたは今まで何度もこういう事に遭遇してきたんだろ?
ここまでウィルスに犯された人間が助かった事があるのか
わかってるはずだ

「ピアーズ!!!!!!」

レバーを引けばクリスの乗った脱出ポッドが動き始め段々と姿が遠くなっていくのをじっと見つめていた
周りがどんどんと崩れていく中、倒したはずのハオスが脱出ポッドに向かっていくのが見えた
唇を噛んでピアーズは変異した腕にありったけの力を込めた

「やめろ…彼女が悲しむんだよっ!!!」

電撃を放ちハオスが沈んでいくのが見えた
これでクリスが帰ることができる、ピアーズはその場に跪いた


ありがとう隊長…
あの日、あなたに会わなければ俺は無意味に生きていた
あなたと出会えてBSAAと出会えて俺は幸せでした
最後まで…こんな俺を助けようとしてくれてありがとう…

ナナさん
隊長は無事にあなたの元に帰りますよ
俺が連れて帰るって約束は守れそうにないけれど…
俺はあなたの笑顔が大好きでした
どうか隊長とお幸せに……


* * *

「あれ…?ここは?」

ふと一軒の花屋の前にピアーズは立っていた
どうして自分はこんな所にいるのか…店の中からナナが出てくると彼女はすぐにピアーズの元へと駆け寄ってくるとそのまま抱きしめられた

「ぁ……」
「あなただったのね」
「え…?」
「私との約束…守ってくれてありがとう」

ナナからの言葉を聞いたピアーズは込み上げてきた涙を流して彼女を力強く抱きしめた


130728


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