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ジルの行方がわからなくなってから3ヶ月の月日が流れた
捜索を続けていたBSAA隊員たちに疲れの表情が表れていた、そう誰もが認めたくはないが思っていた
ジルはもうすでに死んでいる、と
クリスは隊員たちの表情を見ると悔しそうに唇を噛んで壁を殴った


「ジル・バレンタインは死んだ」

上からの決定にクリスは黙っているしかなかった
3ヶ月探しても見つからなかった、これ以上の捜索は無意味だとなったのだ
ジルと共におそらくウェスカーも死んだ。ジルの死はとても名誉だと…
数日後、ジルの葬式が行われた
BSAA内での葬式だったのだが特別にナナも参加できることになった
ジル・バレンタインと書かれた墓石を見て涙を零しクリスの胸板に顔を埋めた
自分の胸で泣く彼女の背中を擦りクリスも辛そうに墓石に目を向けたと同時に彼の心の中でより一層バイオテロへの撲滅を心に誓った


* * *

葬式が終わってからクリスはソファーで寛いでいた
今までの疲れもあったのか身体が重たくて仕方がない、そんな彼に近寄ってナナが声をかける

「クリス……今日はもう寝よう」
「……あぁ」

思えば数ヶ月ぶりの家でベッドでゆっくりと眠るのは久しぶりなような気がする
手を引かれてベッドへと横になればシーツをかけられてナナも横に入ってきた
胸板に引っ付いてくる彼女を抱きしめてやれば、ナナも同じように力強く抱きしめ返してきた
そのまま腰へと手をずらしていき、彼女の丸い尻へと手を這わせればピクリと反応した
ナナの温もりに縋っていたい
唇を塞いで彼女を自分の下へと押し倒した


「あっ…あぁっ…」

中を突き上げられるたびにナナの甘い声が寝室に響く
彼女の両足をしっかりと押さえて突き上げを激しくしてやればシーツをしっかりと握り締めていやいや、と頭を左右に振る
こうして繋がるのは数ヶ月ぶりだ。よほど性欲が溜まっていたのか最奥を突き上げてからたっぷりと自身から欲望が出て行くのがわかった
自身を抜けばナナの中から大量の精液が出てくるのが見えた

「ナナ…」
「クリス……」

自分の上に倒れてきたクリスをナナは力強く抱きしめる
荒い呼吸を繰り返す中、彼が耳元で囁いた

「お前は…いなくならないでくれ……」

苦しそうに、切なそうに吐き出した彼の言葉にナナは目を閉じて頷いた


クリスが眠ってからナナはシャワーを浴びて再びベッドへと戻ってきた
珍しくクリスが目を覚ます様子はない。よほどの疲れが溜まっていたのだ
眠っている彼の表情を見ながら先ほどの言葉を思い出すとなんだか切なくなってきて再びベッドに入るとクリスの額にキスを落とした

「…私はいなくならないよ…だから、クリスもいなくならないでね」


130519


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