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「悪いなコーディ、無理言って」
「……今度からはやめてくれよ?」

自宅で開かれているパーティ会場へとやってきたコーディは花の飾り付けをする
やってきた友人はすまないな、と笑うとチップを彼に渡してその場を去っていく
ふとコーディはナナの様子が気になって携帯の電話をかけた


何度も角度を変えて唇を重ねるクリスとナナ
その時彼女の携帯電話が鞄の中から鳴り響いて二人は唇を離した
鞄から携帯を取り出したナナはディスプレイにコーディと表示されて目を見開いた
出ようとしない彼女にクリスが声をかける

「出ないのか?」
「えっ…と……」

彼女の頬は真っ赤でどうすればいいのかわからないという顔をしている
携帯を取って再び鞄の中に入れたクリスはナナの唇を塞ぐとそのまま彼女を壁際へと押し付ける
スカートの中へと手を入れて太股へと手を這わせる

「んんっ…ダメっ!クリス…っ」
「すまないナナ…もう抑えられない」

熱の篭った瞳で見つめられてナナの心臓は大きく鳴り響く
こうして彼に抱かれるのは何年ぶりなのだろうか?
首筋に舌を這わされてビクビクと震える身体。クリスはズボンの中で苦しそうにしている自身を取り出してナナの秘部の割れ目へと挿入した

「あぁっ…んんっ…」
「っ…はぁ」

久しぶりに感じたナナの中はとても気持ちが良くクリスは息を吐く
彼の首に両手を回してしがみつけば律動を開始される

「あっあっああっあっんっはぁっ」

甘い声を上げて鳴く彼女を離すと後ろ向きにさせた
スカートを腰まで捲りあげて露になった丸い尻に手を這わせて再び腰を動かす
壁に両手をつきながらナナは自分の体制に恥ずかしそうにしながらも抵抗する事などできずに声を上げる
後ろからクリスの両手が伸びてきて胸を揉まれるとそのままブラジャーも上へと捲られ露になった胸を揉まれる

「あっんっんっんんっあっはぁやっ!」
「っ…ナナ」
「クリ…ス…っ!」

律動が激しくなり繋がっている部分から粘着質な音が鳴り響く
彼も限界が近いのだろう
このまま中に出されてしまうかもしれない、だけどそれだけは残っている理性で阻止しなければならない

「クリス…っ…お願い外に……」
「…っ?」
「…私…っ」

妊娠してるの
その言葉が聞こえたクリスは自身を引き抜いて彼女の尻へと欲を吐き出した
そのまま崩れ落ちたナナの身体にクリスは手を伸ばした

「……妊娠してるのか…?」
「……今日、病院行ってわかったの……コーディとの赤ちゃんよ」
「……!!」

ナナの妊娠にクリスは片手で口を覆った
そんな彼を見て胸を痛めたがそのまま話を続けた

「クリス……あなたを好きだった事は後悔してない。今でも好きだと思う……けど、もう戻れないよ」
「ナナ……」
「……さよならクリス」

苦しそうにナナは微笑んでさよならの言葉を告げた
クリスは何も言えなくなり店から黙って出て行った
彼が帰ってからシャワーを浴びながらナナは泣いた
これでいい、自分にはコーディがいる。彼との赤ちゃんもいるのだから


* * *

その日の夜
コーディが家へと帰ってきた、彼はポケットに入れていた指輪の箱を握り締めて家の中へと入っていく
1階の店は電気がついていないのはいいのだが2階の住居の明かりがついていないことに気がついて急いで中へと入っていく
電気をつければ暗闇からナナが現れた

「ただいま…って電気もつけずにどうしたんだ?」
「……おかえりなさい」
「ナナ?大丈夫か?」

呆然としているナナの横に座ってコーディは顔色を伺う

「昼間電話したんだけど…出れなかったのか?まだ病院だった?」
「……そう、なの…ごめんなさい」
「ナナ?目が腫れてないか…?」

彼女の目に触れようとしたコーディの手をナナは思わず振り払った
振り払われたコーディもナナも驚いて目を見開いた

「ナナ…!?」
「あ、ごめんなさい……」

その時だった
1階から物音が聞こえて二人は顔を見合わせた
そしてコーディはナナに口を開いた

「ちょっと様子を見てくるよ」
「コーディ…」
「大丈夫……様子見てきたら話があるんだ、聞いてくれ」

真っ直ぐに自分を見つめるコーディにナナは頷いた
1階へと降りていく彼を見送って先ほど自分がした行動に驚いた
何故嫌だと思ったのか…今まで触れられても何も思わなかったのに
クリスに会ったからだろうか?
その時2階へと上ってくる足音が聞こえてそちらを見ればサングラスをかけた男がコーディの頭を掴んで引きずってきた
状況が掴めずに身体を固まらせた

「…っ、な…だ、れ…!?」
「クリスがここに出入りしていたので来てみれば…なるほど女に会いに来ていたのか」

男はそう言うと呆れたように鼻で笑った
顔を何度も殴られたのかコーディは最後の力を振り絞って男の足を押さえた

「逃げろ…ナナ…早くっ!」
「コーディ!」
「早くっ…」

怒鳴られてナナは急いで二人の横をすり抜けて1階へと降りて行く
ふん、と男は鼻を鳴らすとコーディの首を掴んで持ち上げた
苦しそうにしながらコーディは男を睨みつける

「貴様も哀れな男だ……クリスの女に関わったばかりに…」
「ぐふっ!!!」

男の手に胸を貫かれてコーディは力尽きた
そのまま彼を投げ飛ばすとサングラスをクイッと持ち上げて人間とは思えないスピードで階段を駆け下りていく、そして逃げようとしていたナナの首を掴んで持ち上げた

「っく…!!」
「貴様が死ねばクリスはどうなるだろうな?」
「…!!」

殺される、と目を固く閉じたとき
サイレンの鳴り響く音が聞こえた、近所の人間が物音に気がついて連絡してくれたのだろう
つまらなさそうな顔をして男は再びナナに向いた

「運のいい女だ……」
「っあ…!!!!」

腹を思い切り拳で殴られてナナはそのまま気を失った
気を失った彼女の首から手を離せばそのまま体が地面へと落ちていく
それを見送ると男はその場を後にした


130403


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