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何て言えばいいのか本当にわからないぐらいクリスは困惑していた
爆発した洋館をヘリの上から見下ろしながら彼は色々と頭の中で考えていた
元上司の裏切り、アンブレラ、Tウィルス…色々な事を知った
そしてこのまま野放しにはしておけないことにも…
目の前で疲れたのか寝ているレベッカの顔を見、そして自分にもたれかかって寝ているジルを見てクリスは朝日を見つめて目を細めた



「ですからこのままだといずれこの街…いや世界にも脅威が渡ります!すぐにアンブレラを調べるべきだっ!!」

洋館事件から戻った数日後
クリスはジルやバリーと共に署長に洋館で起こった事件の事をすべて話した
このまま放っておけばいずれあの恐ろしい光景がこの街にも襲ってくるかもしれない
しかし署長はクリスの話を聞いて馬鹿にしたような態度を取り鼻で笑った

「馬鹿馬鹿しい、そんな話を誰が信じるんだ?」
「署長…!?」
「くだらん事に付き合っている暇はないんだ、さっさと出て行きたまえ」

署長に追い出されるとクリスは近くの壁を殴った
上の人間とは昔から上手くいかない、どうしてこうも信じてくれないのか
焦るクリスにジルとバリーは彼を宥めるように背中を撫でた

「大丈夫よクリス、明日も署長に話してみましょう」
「ジル……」
「そうだ、それより今日はもう帰ったらどうだ?彼女には会ってないんだろ」
「……あぁ」

あの日以来ナナとは連絡を取っていなかった
向こうも何か感じたのか連絡がなかった
久しぶりに彼女に会いたい、そう思うと彼は二人に挨拶をして警察署を出た
クリスが出て行くところを署長はカーテンの隙間から見ていた

「……やっかいな奴らだ」



* * *

クリスと連絡が取れなくなってから数日が経った
連絡しようか、と思うことは何度もあった。しかしもしかしたら何か大きな事件があってそれを解決するのに忙しいのかもしれないと思うとなかなか連絡が取れなかった
彼の声が聞けないとこんなにも悲しくて寂しい気持ちになるのか…
そう考えていたとき車のエンジン音が聞こえてナナは弾かれたように玄関へと向かう
クリスの車だった、そして彼も降りてくる

「クリス!」

大きな声で彼の名前を呼ぶとそのまま抱きついた
クリスも抱きついてきた彼女に少々驚いていたが目を細めて優しく抱きしめた

「…すまない連絡がとれなくて」
「ううん、いいの…仕事だったんでしょ?お疲れ様」
「……あぁ」

まさか自分でも化け物を相手にするとは思っていなかった
もしあのウィルスがもれてこの街を襲ったら…ナナも襲われて化け物になったとき自分は彼女に銃を向けられるのだろうか?
そんな事はできない

「クリス?どうしたの…?」

色々と考え込んでいるクリスを心配してナナが顔を覗きこんでいる
生きている、自分は…彼女の元に帰ってこれた
愛しい

「ナナ……今夜は君が欲しいんだ、駄目か?」
「え!?…あ、…と……」

戸惑って顔を赤くさせるナナだったが小さく頷いた
クリスはすぐに彼女を連れて家の中へと入っていく
シャワーなんかも浴びようとさえも思わなかった、とにかくすぐに彼女が欲しかった

「はぁっ…あぁ」

ベッドの上にナナを押し倒し彼女の秘部へと舌を這わせる
厭らしい水音が部屋中に響き渡りクリスを煽っていく
恥ずかしそうにしながらクリスの頭に手をやるのだが彼に舌を指し込まれて身体がビクリと跳ねた

「やぁ…クリス…っ」
「…入れるぞ」

コンドームの袋を破り自身に装着させるとすでに濡れてヒクヒクと彼を誘っている秘部に数回擦り付けて挿入すると彼はすぐに腰を叩きつけた

「あっ…もっとゆっくり…っあぁぁっ!!」

命に関わるような出来事に遭遇すると子孫を残そうと性欲が強くなると聞いたことがある
クリスは今まさにその状態だった
彼女を気遣ってやれる余裕などない、本当なら避妊具だってつけたくない
すべての欲を吐き出してやりたかった

「あっあっぁぁっ…やぁっ…」
「ナナ…っ!く…っ」

最奥を突き上げるとクリスは欲を吐き出した
しかしそれはナナの中には吐き出されずゴムの中に吐き出される
荒い呼吸を繰り返す二人…自身を抜くと彼はそのまま横になった
横になった彼に彼女は声をかけた

「クリス…どうしたの?仕事で何かあったの?」

自分の様子が変な事に彼女は気づいている
話すのは簡単だ、彼女だったら自分の話を信じてくれるだろう
だけど巻き込みたくなかった
クリスはナナを抱き寄せた

「何でもないよ…ナナに会えて嬉しかったんだ。無理させてすまない」
「……ううん、大丈夫」

何もないのならいいや、と言った感じでナナが目を閉じてクリスの腕に頭を乗せた


130205


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