あなたの愛はたまに痛い


「え…今なんて…?」

呆然としながらも聞き返すなまえ
左之助はつらそうな、苦しそうな顔をしながらまた口を開いた





――斎藤が死んだ

その言葉を聞いてからなまえは抜け殻のようになってしまった
彼のいない家で過ごす退屈な日々
洗濯も料理もせずにただ呆然としながら縁側に腰掛けて空を見つめる

彼と最後に過ごしたときに聞いてはいた
志々雄との戦いに挑むのだと、しばらくは帰ってこられなくなるとも
そんな彼を心配そうに見つめていたがいつものようにふっ、と笑って自分の頭に優しく手を置いた

――そんな顔をするな、必ず帰ってくる

そう約束してくれたから、信じて待っていたのだ

「…貴方がいなくなったなんて信じられません…」

なまえがぼそり、と呟いた
その時煙の匂いが彼女の鼻を掠めた
誰か道端で煙草でも吸っているのだろうか?斎藤を思い出してしまうから益々悲しい気分になる

「家事もせずに何やってんだ?」

後ろから聞こえた低い声に振り返る
いつもの警察の制服を着て煙草を咥えた斎藤が自分を見下ろしていた
なまえは驚いて声も出なかった

「は、じめ…さ……」
「まさかとは思うが…俺が死んだとでも思ったのか?」
「だ、だって……」
「阿呆。必ず帰ってくると言っただろうが」

ふーっと呆れたように煙を吐き出す斎藤になまえは涙を流した
そうだ新撰組時代から不死身と呼ばれているこの男が簡単に死ぬはずがない
自分を置いて死ぬこともない

「おかえりなさい一さん」
「…ただいま、なまえ」

立ち上がって彼に抱きついたなまえの頭を斎藤は優しく撫でた
今日は久しぶりに彼の大好物を作ろう、そして汚れた制服を洗おうとなまえは思った






漫画読んでてマジで斎藤死んだかと思いましたww
誰そ彼
120616


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