残虐なまでのイノセンス


フィガロ城を歩いていたナナは壁に飾られていた一つの絵に目が行き思わず立ち止まった
綺麗な顔立ちをしておりとても美しい容姿をしている女性の絵だった
男だけではなく、同じ女性の自分としてもその美しさに目を奪われてしまう

「綺麗な人……」
「やぁナナ」
「きゃあ!!」

突然後ろから聞こえた声に悲鳴を上げて振り返ればそこにはここの城主のエドガーが微笑んで立っていた
ナナの反応が可愛かったのか彼は微笑んでいる

「エドガーったらビックリするじゃない…」
「ははっ、すまなかったね。所で何を見てたんだい?」
「あ、と…エドガーなら知ってるよね?この女性って誰?」

指を指されてエドガーは1枚の目を見つめた
そして目を細めるとあぁ、と答えた

「これは私の母上だよ」
「エドガーのお母様!?綺麗な人だね」
「そうだね……私とマッシュを産んですぐに亡くなったから実際には会ったことはないけどね」

その時のエドガーは少し寂しそうな顔をして言った
彼ら双子は母親が亡くなってから乳母に育てられた、まだ
小さかったし乳母が母親だと勘違いしていた。実際母親はとっくに死んでいると聞かされても寂しいとか、悲しいとかの感情は浮かんでこなかった

「エドガー…寂しいね…」
「…どうかな?いまいちピンとこないんだ、一緒に過ごした記憶もないし…父上は一緒に過ごした時間が多かったから亡くなった時はショックが大きかったけど」
「そっか……」
「君は怒らないのかい?」
「怒る?どうして?」
「他の人間に言ったらそんな事はないだろうって言った人もいたからね」

随分子供の頃の話でもう怒った人間の顔さえ覚えていないけれど
男だったというのもあったからだろうか
考え込んでいたナナは首を横に振った
「エドガーはちゃんとお母さんの事思ってるじゃない、だってこの絵を見つめてるときのエドガーの目はとても優しかったわ。もし母親の事を何とも思っていなかったらそんな目をしないわ」

ニコリと微笑んだナナに目を見開いたがやがてふっ、と笑った
そして彼女を優しく抱きしめる

「ありがとうナナ」
「エドガー……」
「母上の隣に…君の絵も飾ろうか、俺の妻になったらね」





初のエドガー夢、甘くするつもりだったんだけどなぁww
エトワール
120903


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