その唇で言ってみせて


*ラク城の戦いネタバレ



「残念な人」

その言葉に鍾会の肩がピクリと反応した、そしてくるっ、と身体の向きを変えて残念だと言った人物―なまえの方を見た
ニヤニヤと笑いながら鍾会を見ている

「貴様!何故そのことを知っている!?」
「綾御前様に聞いたの、阿国さんにそんな風に言われてたって」

おもしろいこと聞いちゃったー、となまえはくすくす笑う
鍾会は唇を噛んで拳をギリリッと音がしそうなほど握り締めていた

「ふんっ!あの女の目は節穴なのだっ!英才教育を受けた私が残念な男などではないに決まっているだろう!」
「でも綾御前様も可哀想って言ってたわよ」
「な…っ!」

阿国だけでなく綾御前までにも言われていたとは…ここまで馬鹿にされて黙っていられる鍾会ではなかった
ガシッ、と音がするほど鍾会はなまえの肩を掴んだ

「いいか!私が残念な男ではないって事を貴様に証明してやるからなっ!!だからこの世界で死んだりなどするなよっ!!」
「……何ソレ、心配してくれてるの?」
「心配などしていない!見届ける役が死んだら意味がないってことだ!わかったななまえ!」

あの二人今に見てろよ、とブツブツ呟きながらその場を後にする鍾会
そんな彼の背中をなまえは見つめる

「心配してる、って素直に言ってくれれば残念な人じゃないのに…」

あーあ、やっぱり残念な人となまえは目を細めて言った



(トウ艾殿!私は残念な男ではないよなっ!?)
(鍾会殿?どうなされた…?)


***
残念な男と言われてショック受けてる鍾会が好きです
自慰
120102


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