終わりの見えない恋をしよう



散歩をしようと外へ出た時、背後から突然、名前を呼ばれた。振り返ると、愛しい彼の姿があった。

「司馬昭殿。何か御用ですか?」

問いかけると、司馬昭はニコリと笑うなり傍にやって来る。同時に、水瀬さまの手を取った。

「司馬昭殿?」
「なまえ、出かけようぜ!」
「へ? あ、ちょ、ちょっと!」

言葉をさえぎるように、司馬昭はなまえの手を引き走り出した。城の外には用意周到に司馬昭の馬が居り、手綱は城門を警備する兵が握っている。ご苦労さん、とその兵に声をかけると、手綱を受け取るなり司馬昭は馬に先にまたがった。次になまえの手をぐいっと引き、強引に馬の上がらせ自身の膝の上に乗せる。

「司馬昭ど、」
「しっかり掴まっとけよ!」

そう言うと、手綱を強く引く。馬はいななき走り出す。きゃっ、と声を上げるなり、なまえは司馬昭の首に腕を回した。

半刻程走りやってきたのは、花々が咲きほこる小高い丘だった。さらさらと吹く風が心地良い。司馬昭は丘の真ん中辺りで馬を止めた。

「きれい……」

ぽつりともらすと、だろ? と頭上で司馬昭は言う。先に司馬昭が馬から下り、なまえにそっと手を差し伸べる。その手ををとると、なまえはもう一方の手を司馬昭の肩に載せ、トンッと地に足をつけた。その場で膝を折り、そっと花に触れる。愛らしい姿に、思わず笑みがこぼれる。

「前に、父上と兄上と一緒に遠出した時、たまたまここを見つけたんだ。あんまりきれいだから、なまえにも見せてやりたくてさ」

立ち上がり、視線を上げて司馬昭の顔を見つめると、ほんのりと頬が赤く染まっていた。わたしのために……、となまえは口の中で呟く。ふと、口元がうれしくてほころびそうになった。

「ありがとう、司馬昭殿」

礼を言うと、司馬昭は大きくため息をつく。首をかしげると、司馬昭はなまえの額を人差し指で軽く小突いた。

「二人っきりの時は、字で呼べって言ってるだろ?」

恋仲なんだから、と付けたし、司馬昭は唇をすぼめる。まるで子どものようなその姿に、なまえはくすっと噴出した。少しの間、肩を震わせ笑った後、そうですね、となまえは続けた。

「ありがとう、子上殿。大好きです」

司馬昭は歯を見せて笑うと、間髪入れずになまえを抱きしめた。




終わりの見えない恋をしよう
「俺も、なまえが好きだぜ。あー、えっと……せ、せか、世界中のだ、だれ、誰よりも……!」
「子上殿、良いところでカミカミじゃないですか」
「わ、笑うなよ! このっ、お仕置きだ」
「んっ、」








愛子ちゃんの所の企画に参加し、司馬昭の夢をお願いしたんです…この司馬昭はかっこよすぎですよね!私のですからねっ!!愛子ちゃんの文才は憧れです^^これからもずっと仲良くしてね。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -