ともだちってさとうみたいなあじがするの


「そちがなまえじゃな」

本を読んでいたなまえの頭上から声がかけられた、誰だろうと上を見上げればガラシャが覗き込んでいた
確か明智光秀の娘だと父親である司馬懿から聞いていた、しかも何か厄介だとも聞いていたのだが見る限り何もなく普通の娘だ

「そうですけど…私に何か?」
「司馬懿殿に娘がいると聞いておったからどんな顔をしているのか見に来たのじゃ」「……そうですか、じゃあこれで」

そっけなく答えると彼女は本を持ってそのまま歩き出す
だがガラシャも彼女の後を着いて来る
無視をしていたのだがずっと着いて来る、足をピタリと止めると同じように歩いていたガラシャもなまえの背中にぶつかった

「いきなり止まるとはひどいのじゃ」
「…どうして私の後を着いて来るんですか?」
「なまえ、わらわとダチになろうなのじゃ!」
「は?」

ガラシャの言葉に間の抜けた声を出すなまえ、しかしガラシャは相変わらずニコニコしており手を握って「良いじゃろ?」と言ってくる
父親により幼い頃から凡愚とは付き合うな、と教育を受けてきた。その父親の言葉通りになまえにはあまり友達と呼べる存在がおらず、戦で必要な人間としか関わったことがなかった

「…必要ないわ、友達なんて」
「ほむ、寂しいことを言うのじゃな…ダチはいいぞ!戦でなまえが困っていたらわらわはすぐに助けに行くぞ」
「いらないって言ってるでしょ、しつこいわ」

手を振り払ってなまえはその場を去る、すると足音が聞こえないことに気がついて後ろを振り返る。なまえはぎょっ、となった
ガラシャが大粒の涙を流していたのだ

「な…」
「ふえええぇぇっっ!わらわとダチになろうなのじゃあああぁ!!」
「ガラシャ!どうしたのですか!?」
「なまえがわらわとダチになってくれないのじゃあああ!!」

父親の光秀が娘の鳴き声を聞いて猛スピードで駆けつけてきた
なまえは光秀に睨みつけられてうっ、となった

「なまえ殿…友達になるぐらいはいいのではないのですか…?」
「ぅ……わかりました」
「嬉しいのじゃ!!!」

ガラシャに抱きつかれてなまえは苦笑するしかなかった



(馬鹿めが!何故あの娘と友達になったのだ!!)
(父上だって先に友達になっていたそうじゃないですか!!)
(な…!?あれはあの娘が勝手に…!)
(おぉ!?ダチたちがいるのじゃ!遊ぼうなのじゃー)




司馬懿の娘ヒロインは父と同じくツンデレでトラブルに巻き込まれやすいw本当はシリアスにしようかと思ったけどたまには馬鹿みたいな話もねww
淑女
120331


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