世界に愛された子供


竹刀を構えて目の前の相手を睨みつける
周泰は自分を睨む相手を同じように睨みつける
一歩、相手が踏み込んできた。自分の懐を狙ってきたのだが周泰はそれを見事に受け止めて相手の竹刀を弾き飛ばした
側で見ていた孫権は満足そうに笑って数回手を叩いた

「さすがだな周泰…周邵も見事だったぞ」
「…いえ…」
「周邵、怪我はしてない?」

同じように側で見つめていたなまえは息子…周邵に声をかける
だが息子は首を縦に振ると飛ばされた竹刀を取りに行く
孫権はその背中を見つめながら苦笑した

「…周邵は…周泰に似ているのだな」
「そう…ですね。でもとてもいい子なんですよ」

なまえの微笑みに孫権はそうか、と頷いた
周邵は7歳なのだが父親の周泰にソックリだった。口調も雰囲気もそのままで呉の中では「周泰のクローンだ」とまで言われている

「……なまえ、周承はどこだ……?」
「え?確かその辺にいたはず…」
「ははうえー!」

後ろから抱き着いてきたのはたった今話していた周泰となまえのもう一人の息子、周承だった
彼は兄の周邵とは性格が違っていた、明るくてとてもおしゃべりになのだ。こっちの子供の明るさはなまえに似ていた

「ははうえ!あっちであそぼう!」
「周承…お稽古の時間でしょ?父上も待ってるわ」
「え〜やだぁ〜!ははうえとあそぶー!」
「……周承……」
「!ちちうえ…!」

周泰の姿を見つけた周承はなまえの服の裾を掴む
そんな息子に周泰は竹刀を差し出す、が周承は受け取ろうとせずになまえの胸に顔を埋める
見かねた孫権が声をかける

「周泰…周承はまだ4歳だろう?稽古は早いのではないか?」
「……孫権様…甘やかしてはいけません……」
「そ、そうか…」
「…周承、父上の稽古はちゃんと受けろ…」

駄々をこねる弟に周邵が声をかける、父と兄に言われた周承は母親に助けを求める。が母親も苦笑をして声をかける

「周承…少しだけ、少しだけ稽古しましょ?ね?」
「……はい」

周泰からの竹刀を受け取り周承は構える
こうやって構えれば可愛らしい顔から父親と同じような鋭い瞳に変わるやはり周泰の血を継いでいる
孫権も周邵もおもしろそうに見つめていた

「……ちゃんと見ろ、隙がありすぎる……」
「…むぅ…っ!」

軽く周承の頭を竹刀で叩いた
当然だが父親にはまだ勝てない、しかしそれはやはり悔しいのだ
泣きそうになる周承に周泰は頭を撫でた

「……筋はいいぞ周承……」
「ちちうえ…うぇえええぇぇっ!!」

父親に誉められて周承は大声で泣き出し、彼の足にしがみついた
周泰はしゃがんで抱きしめてやる。周邵も孫権も…なまえも微笑んでその光景を見ていた






周邵は父親似で周承は母親に似てるといいなーと…また周泰の子供達登場させたいです、楽しい設定でしたw
自慰
120317



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