なんて情熱的な夜なのかしら


彼女のなまえと俺の家で今日はデートした
俺のゲームで一緒に遊んだ、と言ってもなまえはあんまりゲームとかするような子じゃないから隣で教えながら一緒にした
しかしやっぱり下手くそな訳で、でもなまえは怒ったりもせず「またやられちゃったね」と照れたように笑ってそれがまた可愛かった


「あ…もうこんな時間」

壁にかかっている時計を見てなまえは呟いた
時刻はすでに夕方の18時過ぎたぐらい…仗助はセーブをしてからゲームの本体のスイッチを切った
そしてうーんと背伸びをして自分の母親がまだ帰ってきていないことに気がついた

「帰るんスか?」
「うーん…あ、おばさんまだ帰って来ないんだね?」
「あぁ…先に夕飯カップめんでも食うかな」
「……よかったら作ってあげようか?」

夕飯を作ってくれるという彼女の言葉に仗助は力強く頷いた
彼女の手料理が食べられるのだ、嬉しいわけがない
なまえは彼の反応に微笑むとそのまま台所へと向かい、冷蔵庫の中から適当に食材を取り出す。そして壁にかかっていたエプロンをつけて料理を始めた
料理をするなまえの姿をずっと仗助は見つめていた

「……結婚したらこんな感じなんスかね?」

自分で呟いた台詞に仗助はハッとなって頭を抱え込んだ

「ってか何言ってるんだよ俺…!」


* * *

「はい、できたよ」
「おぉ!オムライス!!上手そうっ!!!」

ふわふわの卵に包まれたオムライスが仗助の前に差し出された
彼の前に座ると「いただきます」と交わして食事を始める
ちょうどその時仗助の母―朋子が帰ってきたらしかった

「ただいまー!仗助……あらなまえちゃん、いらっしゃい」
「こんばんは、お邪魔してます」
「あら?何それオムライス?」
「なまえが作ったんだよ」
「よかったら食べますか?用意します…」

ありがとう、と笑顔で朋子は返事をして椅子に座る
すぐになまえはオムライスを朋子の元へと持っていく、彼女はお腹を空かせていたらしくすぐに食べ始めた

「あら!すっごくおいしいわ!!」
「ありがとうございます」
「ほんとうめぇよなぁ〜」
「仗助くん、ご飯粒ついてるよ」

ほっぺたについているご飯粒をなまえはとってやる
子供みたいだね、と笑いあう二人を朋子はおもしろそうに見つめていた
そして口を開く

「なまえちゃん、コイツどうしようもない奴だけど結婚してもよろしくね」
「え!?」
「ぶっ!!な、なに言ってんだよおふくろ!!!」

思わずオムライスを噴出しそうになった仗助は咳き込みながら母親に詰め寄る

「いいじゃない、アンタなまえちゃん大好きなんでしょ?」
「いや、そりゃ好きだけどよぉ!その俺ら高校生だし、結婚とかまだ…」
「…わ、私そろそろ帰ります、おじゃましました!」
「え?あ、待てよ!送って行くぜ!」

急いで玄関へと向かうなまえ
仗助は上着を羽織ながら「おふくろのせいだ」と言ってやれば朋子もべぇ、と舌を出す


「さっきはごめんな、変な空気になっちまって…」
「う、ううん…私こそ急に飛び出しちゃってごめん」

すでに暗くなっている道を歩きながら二人はいつも通り会話を交わす
しかしどうしても結婚、という言葉を聴いてから動揺を隠せない
だけど朋子の言ったとおりなまえの事は好きだし、これからもずっと一緒にいたいと思う大切な存在だ

「送ってくれてありがとう」
「あぁ…」
「…じゃあ、おやすみなさい」

家の中に入っていくなまえの腕を仗助は掴んだ
掴まれた彼女は驚いたように彼を見つめる

「…俺はこれからもずっとなまえと一緒にいたい」
「!」
「結婚……学校を卒業したら考えてくれねぇか?」

プロポーズともとってもいいような言葉だった
照れくさそうにしながらなまえは優しく微笑んだ



(イチャイチャっぷりを見せ付けてくれちゃって、まぁ)



朋子ママ好きですよw
誰そ彼
120616



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -