日だまりの中ではにかむ花冠


「露伴せんせーい!!」

玄関のドアをバンバン叩きながら大きな声で露伴を呼ぶなまえ集中して原稿を書いていた露伴は舌打ちをして玄関先へと目をやった
毎度毎度何かしら理由をつけて遊びに来る彼女に露伴はイライラしていた、仕事に集中しているからドアを何度も叩くのはやめろと言っているのに

「クソ…あいつ何回言えばわかるんだ、今日は居留守を使おう」

正直こっちは仕事で忙しい
子供に構っている時間があるくらいなら、何かネタを探したいくらいだ
再び原稿へと目をやったときだった

「露伴先生〜」
「うわァッ!!!!」

後ろから声をかけられた露伴は驚いて声を出し、思わず椅子から立ち上がって後ろを振り返ってみればなまえがニッコリ笑って立っていた

「なぁんだ〜いるんじゃないですかぁ」
「……お前、どっから入ってきた?」
「窓から。開いてたんで」

入ってきた窓を指差すなまえ、確かに今窓が開いている。そういえばここは自分がよく誰か来た時にチェックする窓でもある
やられた。こんな小娘に!!
今度からは窓も戸締りして、カーテンも引いておこう

「……悪いが仕事で忙しいんだ。帰ってくれ」
「いつもそんなこと言って…結局は構ってくれるくせに」
「今日はマジだ!だから帰れ」

迫力のある顔でなまえに訴えるが彼女は怯えもせずにそのままソファーの上にゴロン、と横になった
近くのテーブルに置いてあった漫画を手にとって読み始める
この調子では帰らないだろうし、彼女のペースに乗せられるのも嫌だ
露伴は再び机に向かってペンをとった

「せんせーい!仕事まだぁ?」
「まだまだだ」
「後どのくらい〜?」
「…今始めた所だろうが…」

露伴はあきれながらもちゃんとなまえの言葉に答える
なんだかんだで来ても相手にはしない、という露伴だがこうして結局彼女の言葉に答えてやる
それが彼の優しさでもあり、なまえはそんな彼の優しさに微笑みながら色々話しかけるのだ


****

「ん……」

しばらく時間が経って露伴はうんと背伸びをすると時計をチラリと見た
なまえが来てから3時間程経っていたのだ

「もうこんな時間か」

ふとなまえの事を思い出してソファーの方に近づいていった
先程までうるさかった少女が今はぐっすりと眠っている
人の家にきて眠るぐらいなら家に戻ればいいのに

「帰れと言っただろ……」

眠っているなまえに聞こえるはずもないのに愚痴をこぼしてみる
そして露伴はそのまま彼女が眠るソファーに腰掛けてじっくりと寝顔を見つめる
普通の女ならあのように冷たい態度をとられたらとっくに帰っているだろう、そして二度と自分には会いに来ないはずだ
退屈させる男など女は嫌いだから
しかし彼女は違う、自分の用事が済むまで待ってくれている女なのだ

「悪いな……いつも退屈させて、それでもお前は僕を待っていてくれてるんだな」

うーん、と寝返りをうったなまえの頬に露伴はキスをした
そして唇を離すと自分がしてしまった行動を思い出して頬を赤く染めると髪の毛を掻き乱した



(何をやってるんだ僕は!!)



フォルダ漁ってたら出てきた昔書いた小説の修正版です、露伴先生のこの話は結構気に入ってたのでww
誰そ彼
掲載日071206→修正日120414


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