「JOJO!こっちに来て!」
旅先で偶然出会った家出少女…彼女は承太郎に惚れており彼の側を引っ付いて離れなかった。今も夕食の買出しになまえと承太郎は来ていたのだが当然その少女も着いてくる形になる、何度も呼ぶ少女にやれやれだぜと言いながらも承太郎は少女の元へと行ってやる。何か珍しいものを見つけたらすぐに彼を呼ぶのだ
「見てこれ綺麗じゃない?」
「……あぁ」
そんな二人を見ながらも楽しくない思いをしているのは承太郎の彼女であるなまえだ。もちろん承太郎が少女を本気で相手にしていないことなどわかっているのだし、心配することはもちろん何もないのだがやはり見ていておもしろくないし、最近二人きりで過ごす時間も減っていた
(今夜も無理だろうなぁ…)
子供相手にムキになっている自分も情けないのだがやはり我慢ができない
「……!…なまえ!」
「え…!?」
「何ボーッとしてんだ、財布貸せ」
「あ…うん」
承太郎に財布を渡すなまえ、財布を受け取った彼は少女が飲みたいと強請ったのだろう。飲み物を買ってあげていた、そして彼は再び戻ってきて財布と飲み物をなまえに渡した。ありがと、と言うと顔を俯かせた
「…具合でも悪いのか?」
「べつに……」
「JOJO!早く行こうよ!」
飲み物を片手に少女は手を振ると先に道路を渡る
「ほら…呼んでるよ」
「……なるほどな」
少女が呼んでいることを教えてあげたときのなまえの表情は困ったような顔だった、そこから承太郎は彼女の気持ちを読み取ったようだった
「ヤキモチか…なまえ」
「……わるい?」
「いや…ちゃんと伝えてるつもりではいたんだがな」
承太郎はそう言ってなまえの顎を掴んだ
その時道路に大型のトラックが数台走り、少女からは二人の姿が見えなくなった
見えなくなったその二人は唇を重ねていた
唇が離れた後、彼は耳元で言葉を囁きなまえは顔を赤くさせた
「JOJO−!」
「すぐに行く」
二人がキスをしていたことなど知らない少女は相変わらず承太郎を呼ぶ
承太郎は彼女に頷くと先に歩き出す、なまえも続いて歩き出した
――心配しなくてもてめぇ一筋だ
I always think of only you love
(私はいつも、あなたの事だけを考えています、愛しい人!)
****
家出少女の名前ってなんだったんだろ?
toy
120204