ささやかな愛がいきつくところで


「悪いのなまえちゃん。わざわざ買い物に付き合ってくれて」
「いえ、大丈夫ですよ!」

町までジョセフと買い物に付き合っていたなまえは気にしないで下さい、と微笑む
ホテルに戻ってきて持っていた紙袋をジョセフに渡した
自ら進んで手伝いをする彼女にジョセフは感心していた

「えらいのなまえちゃんは…ポルナレフや承太郎にも見習わせなければならんな」
「そんな大したことしてないですよ」
「本当に今日はありがとう、部屋でゆっくり寛ぐんじゃよ」

ニコリと微笑むジョセフになまえは頭を下げると彼の背中を見送ってから部屋に入った
真っ先に目に入ったのはベッドの上で横になっている大きな背中だ
名前を呼んでみるが返事が無い、どうしたのかと近づいてみる

「承太郎……」

珍しく彼が寝ていたのだ
旅の疲れが溜まっていたのだろうか?
もう一度声をかけてみるのだがやはり目を覚ます様子は無い

「……まつげ長い…」

日本人とイギリス系アメリカ人のハーフでもある彼は学校でも目立つ存在であり、女性からも一目置かれていた
そんな彼が特に何の魅力も無い自分を選んでくれたことが不思議でならないが嬉しかったホリィが倒れてから一緒に旅をしていく内に益々二人の仲は深まっていった
ホテルでの部屋も別々に別れる事はなく常に一緒だった。その中でこうして彼の寝顔を見るのは初めてだった
頬にそっと触れてみれば眉間に皺を寄せて仰向けになった
なんだか可愛いと思いながら更に頬に触れてみた
すると手首を掴まれて彼の身体の上に乗せられる体制になりそのまま力強く抱きしめられた

「あ、あれ…?」
「……」
「承太郎起きてたの?」
「あぁ…」
「いつから…?」
「…お前が帰ってきた時からだ」

最初からじゃない、と言いたくなったのだが服の上から尻を撫でられて思わず彼の肩に顔を埋める
まさかこの流れで…とは誰でも想像してしまう
だが彼はそのままなまえを横に寝かせるとそのまま抱きしめる

「承太郎の寝顔初めて見た…」
「……そうか」
「…いつも私よりも先に起きてるから…」
「……そうだな。なまえの寝顔は何百回も見てるような気がするな」
「私のが先に寝ちゃうしね…」
「それもそうだが……」

耳元で承太郎に囁かれてなまえは一気に頬を赤く染めた
彼と愛し合っているときいつも彼の体力についていけずに先に寝てしまうなまえ
そのときの寝顔が承太郎にとっては一番堪らないのだとかで

「今日も俺に寝かされてみるか?」
「!!え、遠慮しておきます」





3部アニメ化おめでとう!

131027


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