ほら、また離れられなくなった


壁に身体を叩きつけられてそのまま下へとずり落ちる
近づいてくる足音になまえは苦しそうに相手の顔を見た
いい気味だとばかりに女達が彼女を見下ろして口を開いた

「ジョジョと付き合ってるからって調子に乗るんじゃねぇーぞ」
「これに懲りたらとっとと別れるのね」

女達はそう言って笑うとその場を去っていく
残されたなまえは重い腰を上げて制服についた埃を払ってため息をついた
こうやって彼女達に呼び出されるのもこれが初めてではない、すでに数回目になる
そして彼女達もずる賢く承太郎がいないときにするのだ
今朝も承太郎はまだ学校に来ておらずその隙を突いて彼女達はなまえに嫌がらせをしてきたのだ


「よぉ」
「あ、おはよう承太郎…今来たんだ」
「あぁ…呼び出しくらっちまったがな」

そりゃそうでしょ、と笑ってやる
すると突然承太郎が目を鋭くさせてなまえの手を掴んだ
彼が見つめる先に痣があったからだ

「どうしたんだこれ…」
「えっと……階段で転んで……」
「この前は左手にできてたよな?また転んだのか?」
「う、うん……」

捕まれた手を振りほどいてなまえは目を伏せる
承太郎はその様子に何か考えていた、そして再び口を開いた

「…放課後屋上に来い」
「え?」
「拒否権はねぇ、絶対だ」

承太郎はそれだけ言うとその場を去っていく
もしかしたら痣の事を問い詰められるのかもしれない、なんていい訳をするべきか考えなければならない
彼に正直に話して助けてもらうという手もあるかもしれない。だが女の嫉妬はとてつもなく怖い
この際屋上で別れを切り出すべきだろうか…


* * *

「承太郎…」

屋上に来れば承太郎はすでに待っていた
手招きされて近づけば力強く抱きしめられた

「じょ「俺じゃあ頼りにならねぇか?」
「え?」
「俺がどんだけお前を想っているのか…今から"あいつら"に見せ付けてやるよ」
「え…「ジョジョー話って何?」

その時だったなまえに嫌がらせをしていた女子達が入ってきた
彼女達は二人の抱きしめあっている姿に目を奪われてしまった
なまえも彼女達の姿に驚いていたのだが次の瞬間承太郎に顎を捕まれてそのまま唇を塞がれてしまった

「んっ…!?」

一体何が起こっているのか
承太郎にキスをされている、彼女達の目の前で見せ付けるように
身体を離そうとしてもしっかりと抱きしめられ後頭部も押さえつけられている為逃げる事はできない

「んあっ…はぁ…っ!」

舌を絡められて承太郎は顔を赤くさせている女子達の方を見た
彼女達の目は二人に釘付けで動く事もできないようだった
散々見せ付けて承太郎は唇を離すと女達に声をかけた

「こんな風にキスをしてやりてぇと想うのはこいつだけだ…二度と手を出すなよ。消えな」

女達は悔しそうにしながらその場を去っていく
残されたなまえは未だに頬を赤くさせながら彼の逞しい胸にしがみついた
あの女子達から嫌がらせを受けている事に気づいてくれた承太郎の優しさがとても嬉しかった

「あんな追い払い方して……」
「その方がいいだろ、お前が俺の物だってさっさと教えておいた方がいい」
「……うん、ありがと承太郎」





承太郎は女たちにガツンと言ったりもしそうな気もするんですがこういう風な感じで対応もするんじゃないかと

誰そ彼
121012


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