よく頑張りました、もう泣いてもいいよ


近くのスーパーへと買い物にやって来たナナはカートを押しながら食材をじっくりと見ていく
野菜を手に取り痛んでいれば別のものを選んだり、缶詰を買ったりとしていたところで一緒に買い物に来ていたはずのクリスの姿がないことに気がついた
先ほどまで隣にいたはずなのに一体どこにいったのか?
彼は身長も高いし目立つのですぐに見つかるといいのだが、角を曲がったところで両手にたくさんの食材を抱えたクリスと出くわした

「クリス!どこに行ってたの?」
「すまない…でも見つかってよかった」
「心配するから勝手にどこか行かないでね……って」

クリスは両手に抱えていた食材を一気にカゴの中へと入れる
一つ手にとって見れば冷凍食品だった、彼が全部持ってきたものすべてがそうだった
ナナはため息をついてクリスに尋ねる

「こんなにたくさんの冷凍食品をどうするの?」
「今日冷蔵庫見たらなくなってたんだよ」
「え?もう?数日前に買っておいたはず…」
「全部俺が食べたんだ」

そういえば自分が食事を作っていてもそれも全部食べてくれるのだが訓練でよほどお腹が空いたのか冷凍食品までにも手をつけて食べている事があった
数日前にナナがたくさん買いだめしておいたのだがすべて無くなったのだそうだ

「もっと食事の量増やした方がいいみたいね」
「え?それじゃあナナの負担が増えるだろ」
「…クリスの為なら大丈夫」

優しい気遣いにクリスは目を細めて微笑むとありがとう、とナナの額にキスをした

「とりあえず今日は3つぐらいにしておいて、今日は私が作るんだから」
「そうだな…何を作るんだ?」
「ふふっ…楽しみにしておいてとにかくお腹が一杯になるぐらい作るわ。今日は"特別な日"だし」
「……あぁ」

そう、今日買い物に来たのは理由がある
ただの夫婦の買い物ではないのだ
ハリきるナナの姿をクリスは優しく見つめ、心からお礼を言った

「あなたの"家族"の事だからいーっぱい食べるんでしょ?」
「あぁ」
「だったらたくさん買わなきゃね…荷物持ち頑張ってねクリス」
「ほどほどにしてくれよ」

いたずらっ子のように微笑むナナにクリスは頭をかきながら苦笑した


* * *

BSAA本部にたくさんの食事が並べられている
そろそろじゃないか、と静まり返ったときに扉がゆっくりと開かれた
突然のクラッカーが響き渡り部屋に入ってきた人物は目を丸めていた

「これは……」
「おかえりなさいピアーズ」

ナナの言葉に続いてほかの隊員たちも続いた
そう、今日はピアーズがBSAAに帰って来る日だ
あの中国でのバイオテロでピアーズは一時的に生き延びる事ができた
彼はその後研究所に連れて行かれ実験を受けたあと、病院で生活を送っていた
クリスはずっと彼がBSAAに戻ってくる日を待っていた
それが今日なのだ

「おかえりピアーズ」
「隊長……ただいま」

たくさんの隊員たちの歓迎とずっと自分を待ってくれていたクリスにピアーズは感謝の涙を流した





リハビリに…とりあえず帰還をテーマに書きました。やはり文章が下手くそになってますね…バイオ6が発売して1年が過ぎましたね。早い…
誰そ彼


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