目下、君を愛そうと試み中です


いつもよりも仕事が早く片付いたレオンは車に乗り込むとそのまま自宅へと向かわずに保育園へと向かった
彼がそこに向かった理由は妻のナナがそこで働いているからだ
そろそろ彼女も仕事が終わる頃だろうと思い迎えに行く事にした
職員室でナナを尋ねたのだが彼女はまだ教室にいる、と言われてレオンはそちらに向かう見ればまだ明かりのついた教室があったので扉を開けて中に入った

「レオン!?どうして…」
「今日は仕事が早く終わったから迎えに来たんだ」
「そうなの…ごめんこの子の親がまだ迎えに来なくて」

と言われて見てみればナナにずっと抱きついている男の子と目が合った
男の子に優しく微笑んでやれば彼はナナに口を開いた

「せんせい、だれこのひと」
「ん?先生のね…旦那さんよ」
「だんな…?かれし?」
「そう…ね」
「ふーん」

彼氏と聞いた男の子はレオンをじーっと見つめた
男の子の年齢は5歳ぐらいだろうか?やたらとナナに引っ付いているな、とレオンは心の中で思った
レオンから視線を外した男の子はナナに抱きつき直して胸へと顔を埋めた
その行動にレオンの身体がピクリと反応した

「せんせいのおっぱいやわらかーい」
「甘えん坊さんねルイは、ママにもそうしてるの?」
「うん。せんせいちゅうしよー」

ナナの首に両手を回してルイは何度も彼女の頬にキスをする
可愛らしい彼の行動にナナは微笑んでいたのだがレオンはおもしろくなかった
子供といえども相手はやはり男だし、自分の妻が他の男にキスをされているようで嫌だった
だがここで引き離すわけにもいかない。嫉妬を前回にした男は見苦しい

「ナナ、そろそろその子の親が迎えに来るんじゃないか?」
「そうね…ルイ離れて」
「やだ!」

絶対に離れないとルイは自分の両足をナナの身体に巻きつけるようにしがみつくと何度も彼女の首筋や胸にキスをした
困った様子の彼女にさすがのレオンも黙っていられずルイの身体に手を伸ばそうとした時だった
扉が開かれる音が聞こえてそちらを見ればルイの母親が謝りながら入ってきた
ようやく迎えが来たらしくナナはルイを連れてそのまま母親の元へと送り数回言葉を交わしてから帰っていった
ふぅ、と息を吐いたナナの元へレオンが近づく

「子供って可愛いね…ねぇレオ…んんっ」

そのまま唇を塞がれて舌を絡められる、レオンの両肩を掴んで引き離そうとするのだが敵うはずもない
唇が離されて首筋へと口付けられるとそのまま胸へと顔を埋められた

「レオン…!」
「毎日あの子供にあんな事されてるのか?許せないな」
「こ、子供のすることじゃない…ここでは駄目よレオン…っ!」
「そうだな…」

あっさりとレオンは胸から顔を離した
誰かに見られていなかっただろうか、とナナは扉の向こう側を見る
幸い誰も見ていなかったようでホッと息を吐いた後レオンを睨みつけた

「誰かに見られたらどうするの?」
「夫婦なんだから問題ない」
「夫婦でも職場でこんな事してたらクビになるじゃない」
「何度も言ってるだろ?君が働かなくても俺の稼ぎでやっていけるさ」
「…私はこの仕事が好きだもの」
「……どちらにしろ今夜は寝かせないぞ」

再び彼女の唇をレオンは塞いだ


* * *

その日の夜
何度もレオンに抱かれたナナは疲れた様子でベッドに寝ていた
そんな彼女を横で見つめていたレオンはふと背中に赤い跡があるのに気がついた
よく見てみればそれは小さいのだがキスマークだった
自分の背中に触れているレオンに彼女が声をかけた

「どうしたの?」
「……背中にキスマークがあるぞ」
「え…あ、今日プールの授業があったからその時かも…」

あのガキ、とレオンは頭の中でルイの顔を思い出すとその上から自分の跡をつけてやった
そしてナナの両足を抱えると慌てる彼女に口を開く

「良い事考えたんだ…」
「な、なに…?」
「子供ができれば君も辞めざるを得なくなるだろ?」
「だ、だめレオンもう無理…っ」

頬を赤く染めるナナを無視してレオンは彼女の身体の上に覆いかぶさった




嫉妬するエージェントさんが書きたかったのです
誰そ彼
130623


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