世界で一番優しい嘘吐き


久しぶりのナナとのデートにジェイクは子供のように楽しみにしていた
愛用のバイクにもたれながら彼女との待ち合わせ場所で待っていた、ちらちらと周りを見渡しながら彼女の姿を探す

「ジェイク」
「おう、早かった…な……」

後ろから声をかけられて振り返ったジェイクはナナの姿を見て言葉を詰まらせた
今日はワンピースかスカート姿の女の子らしい服装を期待していた
しかしナナの格好はデートとは思えない…BSAAのワッペンがついた隊服を着ていたのだ
一体どういうことだ、と言いたげのジェイクに戸惑いながらナナが口を開いた

「ごめんなさいジェイク…その今日のデート駄目になっちゃった…」
「はぁ!?どういうことだ!!?」
「その…ピアーズさんが射撃の訓練をするから来いって…」
「あの野郎……」

ピアーズという名前を聞いてジェイクは唇を噛んだ
BSAAに所属するナナと同じチームで先輩でもあるピアーズの存在はジェイクにとっては厄介だった
先輩からの誘いを断れば彼女の立場もなくなってしまう
まさかとは思うがジェイクは一応彼女に尋ねた

「お前……今日俺と出かける事話したんじゃねぇだろうな?」
「?ピアーズさんに明日用事があるのかって聞かれて出かけるって答えたら、ジェイクとかって聞かれて…」

大きなため息をついてジェイクは眉間に皺を寄せた
今日がデートということをピアーズに知られた、彼はそれをジャマするために射撃の訓練にナナを誘ったのだ
頭の中でざまあみろ、と舌を出しているピアーズの顔がジェイクの中で思い浮かんで益々イライラさせられた
色々と考え込んでいる様子の彼にナナは声をかける

「本当にごめんねジェイク…だから私そろそろ行くね」
「……ハッ!俺よりあの野郎のがいいってことか!!アイツの事が好きなんじゃねぇのか?」
「そ、そんなことないよ!!ピアーズ先輩は先輩としてしか見てないってこの間も言ったじゃない!!」
「けどテメェはアイツを選ぶんだろ!?俺との約束よりよ!!」
「それは「もういい!!とっとと失せろ、テメェなんかどっか行っちまえ!しらねぇよ」

大声で怒鳴りつけた後ジェイクはそのまま背中を向けた
小さく自分の名前を呼ぶ彼女の声も無視した
何も反応をしないジェイクにナナも悲しそうに目を伏せるとごめんね、と小さく謝ってゆっくりと歩き出す
本当なら彼女だってジェイクと一緒に出かけられる今日を楽しみにしていた
段々と遠ざかっていく足音
ふとナナはジェイクに抱きしめられていた

「行くな」
「ジェイ…ん」

後ろから抱きしめられて唇を塞がれる
唇が離されて彼を見上げれば行くんじゃねぇ、と言われた

「あの野郎に何か言われたら俺のせいにすりゃいい」
「ジェイク…」
「…とりあえず一旦家に帰って着替えて来い、今日はとことん俺に付き合ってもらうぜ」

ナナを抱き上げてバイクの後ろに乗せるジェイク
ピアーズには申し訳ないが今日は楽しませてもらおう





久しぶりにジェイク、彼女とのデートが楽しみで仕方なかったんです。そして自分の後輩がジェイクと付き合ってることが気に入らなくて何かとジャマしてくるピアーズ先輩
自慰
130527


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