多分幸せってこういうこと


深いため息をつきながらナナはトイレから出てきた
そう女性ならば月に1度は誰でも来るあの時期がやって来たのだ
数日前から胸が張ったりお腹が時々痛むのでそろそろだろうなとは思っていながらもやはりやって来ると気分が下がる
未だに痛むお腹を押さえながらソファーへとナナは身を沈めた
その時外へと出ていたレオンが帰ってきた、彼はソファーで寝ているナナの姿を見つけてすぐに駆け寄ってきてソファーの端へと腰をかけた

「おかえりなさいレオン…」
「どうしたんだ?ナナ…顔色が悪いぞ」
「ちょっとお腹が痛くて……その生理で…」

なるほど、とレオンは納得した
もちろん男の自分にその痛みがわかるわけではないのだがナナの苦しむ姿は見ていたくない
そっと彼女の頭を優しく撫でてやる

「何か飲むか?」
「んー……今は…いたた…っ」

ズキズキと痛むお腹にナナは眉間に皺を寄せた
そういえば薬があったな、とレオンは思い出しそこから離れると棚の上の箱から薬を取り出す。コップに水を入れてやると再び彼女のところへと戻ってくる
ナナがコップを受け取ろうとしたのだが何故かレオンは渡さない、それどころか薬を自分の口に含んで水も飲むと一気にナナの唇を塞いだ
レオンの舌と水と薬が一気に入ってくる、吐き出さないようにとレオンの舌がジャマをする
ゴクリと音を立てて薬を飲み終えるとナナは彼を睨んだ

「薬ぐらい自分で飲めるのに…」
「痛みで無理かと思ったんだ」
「嘘ばっかり」

くすっ、と笑ってもう一度口付けあうとレオンはソファーに座り自分の膝の上を軽く2回ほど叩いた
それはここに頭を預けろという合図だ、ナナはゆっくりと身体を上へと動かして頭を乗せた
その時彼がつけている香水の匂いがナナの鼻をくすぐった
臭いわけでもなく彼にとても似合っていて安心する、自分の大好きな匂いだ

「レオンの匂いがする……」
「嫌か?」
「んーん……側にいるんだって安心できる、好きよ」

すりすりと甘えるように自分の腹に擦り寄ってくる彼女に目を細めるとレオンは少しでも早く彼女の痛みが治まるようにと祈りながらこめかみにキスを落とした





連載でかわいそうなレオンばかり書いてるのでたまには甘いお話を
誰そ彼
130419


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