残念ながら誤想防衛です


「ここか…」

一つの古びた建物を見上げてクリスは見つめた
そしてその横にいたナナはその建物を見て思わずクリスに寄り添った

「ほ、本当に入るの?ここの遊園地のお化け屋敷ってものすごく怖いって聞いたんだけど…」
「ハハッ、お化けなんてこの世にいない。それよりも古びた洋館の方がもっと怖いぞ」
「ん〜でも……」
「心配ないさ、俺が守るから」

守るというクリスの言葉にナナは胸を高鳴らせて微笑んで頷いた
その微笑に彼も嬉しそうに笑うと茂みに向けて目をやった
すると彼の部下たちとピアーズが茂みから顔を出して親指を立てる

「(頼んだぞ)」
「(任せて下さい隊長)みんな隊長の為にも、そして俺たちの天使でもあるナナさんの為にもこの任務必ず成功させるぞ」
「「「イエッサー!」」」

ピアーズは聞こえないように小声で部下たちに声をかけるとお化け屋敷へと向かう
彼らがこちらに来るのが見えたクリスはナナに声をかけてお化け屋敷から目を逸らさせた
その隙に部下たちがお化け屋敷へと入っていく
係りの人間は数十人の男たちにちょっと引き気味に声をかけた

「えーっと…10名様?でよろしいですか?」
「そうだ、もしよかったら見取り図をくれないか?敵の位置を把握したい」
「申し訳ありませんがそれはできません……」
「仕方ない、みんな行くぞ!GO!GO!」

隊形を整えて男たちは入っていく
暗い中を進んでいくと曲がり角からお化けが出てきた

「うらめし〜ぎゃっ!!」
「クリア!」

部下がお化けを投げ飛ばす、投げ飛ばされたお化けが気を失ったのでもう一人の部下が物陰へと隠す
ピアーズも周りを見渡して再び進んでいく

数分経ってからクリスとナナもお化け屋敷の中へと入っていく
暗い雰囲気とBGMに彼女は泣きそうになりながらクリスの腕に必死にしがみ付く
しがみついている彼女に可愛い、とクリスはニヤニヤしていた
そんな二人に気がついたお化けは驚かす準備をしていたのだが突然後ろから口を塞がれて投げ飛ばされた

「ぐっ!」
「!な、何!?今何か聞こえなかった!?」
「気のせいだろ?大丈夫俺がちゃんと守るよ」

ナナの腰に手を回して誘導するクリス
その先々でも二人を待ち構えるお化けたちをピアーズと部下達が倒したのでクリスたちは1度もお化けに遭遇する事がなく無事にゴールする事ができた

「任務完了だ!撤収するぞ!」
「「「イエッサー!」」」


* * *

「はぁーあの雰囲気はやっぱり怖かったね……けどお化けが一人も出てこなかったのはなんでなんだろ?」
「俺が相手だと無理だと思ったんじゃないか?」

笑って答えるクリスにナナは頬を赤く染めると体をもじもじとさせた
その様子に気がついた彼は声をかける

「クリスって……とっても頼りになるのね。今日はありがとう、また一緒におでかけしてくれる……?」
「あ、あぁ!もちろんだっ!!」

ナナとの次のデートの約束を取り付けてその日は終わった
もちろん次のデートでも部下たちは連れて行く予定だ



(みんなナナが俺たちの家族になってくれる日は近いぞ!)
(やりましたね隊長!!)
(ナナさんはお母さんですねっ!!)


ツイッターで…お化け屋敷の楽しみ方 (1)入り口で突入隊形を取る (2)Go!!Go!!Go!!と突入 (3)ドア付近で周囲を警戒。クリアしたら前進 (4)クリアリングしながら前進。曲がり角はCheck the cornerと言いながら曲がり、何もなければクリア!と大声で叫ぶ。 (5)撤収 というのがありましてBSAAで妄想したら非常に楽しかったので書きました
レイラの初恋
130308


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