Verhandeln Sie Liebe mit Gunst


※リーマンパロ

「書類のチェックお願いします」
「あぁ」

部下のナナから書類の入った封筒を受け取ったクリスはそのままパソコン画面に集中する
彼女も彼女で書類を渡すと自分の机へと戻っていく
座席に戻るなり目の前に座っていたジェイクが声をかけてきた

「なぁ…お前ら本当に付き合ってんのか?」
「え、そうですよ?」
「それにしちゃ目も合わせねぇんだな」

先程のクリスとのやり取りを見ていたジェイクがニヤニヤしながら言う
クリスとナナは付き合って数年になるのだが、真面目なクリスは仕事場では私情を出さない事にしようと言われて上司と部下として仕事場では付き合っている
彼女がミスをすれば恋人だからと言って甘やかす事はなかった

「仕事は仕事、プライベートはプライベートなんです。ジェイクには関係ありません」
「俺だったら好きな女がいたら関係ねぇけどな」
「しゃべってないで手を動かしたらどうだ」

ジェイクの隣に座っていたピアーズがギロリと彼を睨む
睨まれたジェイクはやれやれ、と言った様子で首を少し傾げた
そして目の前のナナの手を取って甲に口付けた

「ジェイク!?」
「アイツに飽きたらいつでも言えよ、俺だったらたくさん愛してやるぜ」
「てめぇ!上司の彼女に「そこの3人!!!手を動かせっ!!!!」

クリスに怒鳴られてしまった3人は口を動かすのをやめて作業を始める
怒られてしまった、とナナは少し悲しくなった
先程のキスは見られてしまっただろうか?それにしては彼は何も言ってこない



* * *

昼休みになりトイレから出たナナは急に腕を掴まれ壁に押し付けられるとそのまま唇を塞がれた
突然の事に驚いたが相手はクリスだとわかりそのままキスに答える
唇が離されるとナナは少し不満そうな瞳で彼を見た

「仕事場では私情を出さないんじゃなかったんです?」
「1週間ナナに触れられなくてどうにかなりそうだった…その上ジェイクにあんな事されてるのを見たら……抑えられなかった」
「…クリス」

再び口付けられる、先程よりも深くて長いキスだった
そういえばこうやって口付けられるのは随分久しぶりなような気がする

「クリス先輩ー、どこですか?」

ピアーズの声が聞こえて二人は体をビクリとさせた
彼はピアーズに答えるとそのままその場を去ろうとしたのだが足を止めて振り返った

「今夜…俺の家にいいだろ?」
「…わかりました」

くすっと笑って答えるナナにクリスは満足そうに微笑んだ


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真面目なクリスならこういう約束しそうなんだけど結局彼も男で私情が出てしまうっていう話です。ジェイクはヒロインとピアーズの後輩で問題児だといい。そしてそんな彼の教育係をピアーズは任されてるといいよ
タイトルの意味はあいのえこひいき、です
ontology
121209


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