もう二度と交わることはない


季節はもうすぐ冬を迎えようとしていた
大きくなったお腹に気を使いながらナナはクリスの衣服の整理をしていた
そしてクローゼットの奥から出てきた服を見て思わず手を止めた

「ぁ…」

S.T.A.R.Sと書かれた服
ラクーンシティで特殊部隊に入っていたときにクリスが着ていた服だ
思えば彼と出会ったときもこの頃からだった
市民の為に一生懸命戦う彼の姿がとてもかっこよくて惹かれた、この制服を着ていると町の人からもヒーロー扱いされていてとても自慢だった

「ナナ、どうかしたか?」

様子を見に来たらしいクリスが声をかけてきた
彼はナナが手に持っている服を見て目を見開いた

「残ってた…んだな」
「奥から出てきたよ…」
「そうか……」

側に寄って来てクリスはナナから服を受け取った
空軍では上司と意見が合わずに退役して、バリーからスカウトを受けて入った
平和な日々が続くのだと思っていたのにまさかの上司の裏切りに合い、かつての仲間たちを失ってしまった
もうS.T.A.R.Sはなくなってしまった

「捨ててくれるか?」
「…いいの?」
「…あぁ、死んだ仲間達の事を忘れるわけじゃないが…断ち切らないとな」
「……わかった」

ナナは再びクリスから服を受け取ってゴミ袋に入れた
これでいいのだ、とクリスは心の中で自分に言い聞かせた
ウェスカーとの決着も着いた、ジルも取り戻すことができた

「ナナ、後は俺がやるよ。ここは寒いしお腹の子にもよくないだろ」
「うん…ありがとう」

彼女に手を貸して立ち上がらせるとそのままリビングへと向かう
リビングへと向かう前にクリスはゴミ袋を一度見つめてから部屋を出て行った





ウェスカーを倒してS.T.A.R.Sを断ち切るクリスの話…なんですがなんか納得いかない終わり方になってしまったような…
自慰
121112


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