深夜三時の攻防戦


※6エンディング後、みんな生存している話



「はぁ…」

ライフルを構えていたナナはため息をついた
彼女は主に隊員達の手当てなどを中心に活動しているのだが戦場に出る以上銃も扱えなければならなかった
中でも彼女はライフルが苦手でアルファチームの中で唯一下手くそだったのだ

「ピアーズさんに何度も怒られるし…」
「ナナ」
「あ、ピアーズさん!!」

突然声をかけられて思わず背筋を伸ばす
彼女の先輩でもあるピアーズが現れたからだ

「ピアーズさん…すみません」
「…俺も言い過ぎた、隊長に泣かすなって怒られたよ」
「ピアーズさんは悪くないです……」

先程まで泣いていたせいもあってナナの瞳が潤んでいる
その顔にピアーズは内心ドキリと心臓が鳴った
彼女に厳しくするのは当然ながら、ピアーズは彼女の事が好きで好意を寄せていた
彼は思わず咳払いをして口を開く

「その……お前が良ければ、特別に射撃の訓練に付き合ってやってもいいぞ」
「え……」
「よぉナナ」

うるさいバイクの音が響き渡りそちらを見ればジェイクがそこにいた
彼はバイクのエンジンを切ると彼女に近づく
が、ピアーズが眉間に皺を寄せて彼に詰め寄った

「てめぇ!なんでここに!!」
「決まってんだろ、ナナを迎えに来たんだ。もう訓練も終わったんだろ?」
「なんだと!?ナナこいつと付き合ってるのか?」
「え?ち、違いますよ!私も突然ジェイクが来たから驚いてます」
「冷たいなナナは」

慌てるナナ、だがピアーズが気になったのはジェイクと名前で呼びすでにしていることだった
自分にはさんづけなのに…先輩だから仕方ないということもあるのだが
他の男を呼び捨てにしているのだけはどうも納得がいかない、よりによってこの男にだけは……

「帰ろうぜ」
「え、あ、でも…ピアーズさんが射撃の訓練をしてくれるって」
「射撃の訓練?」
「そうだ、まだ訓練は終わってないんだよ。BSAAは自由気ままな傭兵と違って忙しいんだ」

ナナを自分の方へと引き寄せたジェイクからピアーズも奪い返してから言い返す
ジェイクはむっ、と眉間に皺を寄せると再びピアーズからナナを奪った

「射撃の訓練なら俺でも教えられるぜ」
「自己流じゃ駄目なんだよっ!さっさと帰れっ!!」
「ピアーズさんケンカはやめて下さい〜」
「俺はする気はねぇんだ、こいつが諦めれば話は済むだろ?」

ニヤニヤ笑うジェイクにピアーズは眉間に皺を寄せて彼を睨みつける
そんな中ナナはジェイクに向けて口を開いた

「ジェイク…私チームの足を引っ張りたくないからピアーズさんに射撃教えてもらうね…」
「……チッ」

ナナにこう言われてはジェイクも何も言えなかった
何はともあれ自分が勝ったのだ、とピアーズは勝ち誇ったような笑みをジェイクに見せた
だがジェイクもここで引き下がらなかった

「あっ…ちょ、ジェイク…っ!」
「!?」

ジェイクはピアーズの目の前でナナの首筋に噛み付いて見える位置に跡をつけた
そしてジェイクはピアーズに向けて中指を立てた



(やっぱりあの時てめぇの頭ふっとばしとけばよかった!)
(てめぇの下手くそな射撃で俺を殺せるわけねぇだろ)


ジェイクとピアーズの兄弟喧嘩みたいな関係が好きです、そこにヒロインを取り合うとかなったらもっとおもしろいなぁーと
レイラの初恋
121108


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