スイートスイートダーリン
「旅行楽しかったねー」
大勢の人で賑わう空港の中をキャリーを引きながら楽しそうに笑う女たち
しかし地元の町に帰ってこればすぐに現実に引き戻されたのか先程まで楽しそうに笑っていた女の一人がため息をついた
「どうしたのよ?」
「いや…明日からまた仕事かーって思って」
「そうよね…てかナナが一番いいのかな?主婦だもんね」
「え…そうでもないよ」
長いエスカレーターを下りながら一番前にいたナナが振り返った
この3人の中で彼女だけが結婚をしているのだった
それを聞いたもう一人の友人が話しかける
「いいよねぇーあんなかっこいい旦那様がいて」
「でも常に家にいるわけでもないし…今日だって帰ったらいないかも」
「エージェントだっけ…?レオンさん、大変よね」
「けど旅行許してくれるなんて素敵じゃない!」
それもきっと自分がなかなか連れて行ってくれないからだろう、とナナは考える
友人達と旅行に行くと言ったときもあっさり許してくれた。家の事ばかりしていてはストレスが溜まる、と彼も言ってくれた
だけど本当は彼にどこかに連れて行って欲しいと思うのはわがままなのだろうか?
入り口を出たところでタクシーを拾おうかと考えていたとき、ナナがある方向を見て目を見開いた
ここにいるはずのないレオンが車に凭れて立っていたのだ
しかし彼の周りには数人の女がいてレオンをナンパしているようだった
だがレオンはナナの姿に気がつくと微笑んでこちらへと歩み寄ってくる
「おかえりナナ」
「レオン…どうして?」
「迎えにぐらいは来るさ」
素直に嬉しくて心臓がバクバクと鳴る
側で見ていた友人達もよかったね、と言ってくれ彼女達はタクシーで帰るといいそのまま別れた
レオンはナナのキャリーを持って車へと向かう、トランクに乗せている間に自分は助手席に座りすぐにレオンがやって来た
エンジンをかけて彼はバックする為に助手席の椅子の後頭部に手をかけて車を移動させる
この時の彼の横顔がセクシーでナナの好きな表情の一つでもある
下がり終えると彼はそのまま車を走らせた
「どうだった旅行は?」
「楽しかったわ、ビッグベン初めて見たんだけど感動だったわ」
「そうか」
「レオンにもちゃんとお土産買ってきたからね」
「楽しみだな」
微笑むレオンにナナも嬉しそうに微笑む
そしてまた彼女から口を開いた
「レオン…本当に大丈夫なの?私を迎えに来て」
「それぐらいは大丈夫さ…それに自分の妻を迎えに行くのは悪いことか?」
「…ありがとう」
一緒に旅行に行く時間はとれない、だけどその分自分の事をたくさん愛してくれる
とても幸せだった
車を走らせて数分後信号に引っかかる
レオンはそのまま話しかける
「今度休暇が取れたら一緒に旅行に行こう、どこがいい?」
「……」
「ナナ?」
返事がない彼女の方を見れば旅行の疲れもあってかぐっすりと眠っていた
優しく起こさないように頬に触れてそのままキスをしようとしたときだった
プップー!!
後ろからクラクションを鳴らされる
何事かとレオンがそちらを見れば後ろの運転手は前を指差す
そう信号が赤から青に変わっていた為早く走れ、と言われていたのだ
「…泣けるぜ」
ナナから離れてレオンはハンドルを握ると車を走らせた
スイートスイートダーリン
初の6レオン夢、書きたかったのは最後とレオンが車をバックさせてるときの横顔はセクシーで素敵なんだぜっ!っていう所です
誰そ彼
121008