すべてを失う午前零時


※6クリス編ネタバレありです!!




if〜もしもクリスとピアーズの立場が逆だったら


「ぐあああぁぁっっ!!!!」
「隊長っ!!!」

右腕が押しつぶされクリスは大きな悲鳴を上げる、彼を助けようとするピアーズだがハオスの大きな腕に捕まりそれは敵わなくなった

「ピアーズ…っ!!」

ここで彼を失うわけにはいかない
彼にはこれから先のBSAAの未来を引っ張ってもらわなくてはならないのだから
それはもう自分にはできないから
ピアーズの懐から落ちた注射器に目をつけたクリスは力を振り絞って己の右腕を犠牲にした、床を這いずりながら注射器の元まで行き左手で注射器を取るとなくなった箇所に注射器を打った

(ナナ…っ!!)


* * *

「ナナはどうして俺と結婚してくれたんだ?」

突然投げかけられた言葉に飲もうとしていたカップをテーブルの上に置いた
冗談で聞いているのだろうか?と思ったのだが彼の目はそんな感じではなかった

「どうしたのイキナリ?」
「…毎日君に心配ばかりかけさせているし、約束だって破ってばかりで一緒に過ごす時間もとってやれないのにどうして俺の側にいるんだ」
「…貴方を愛してるから、じゃ駄目?」

愛していると言われて悪い気はしない
もちろんクリスだってナナの事は一番愛しているしずっと側にいて欲しいと思っている
だけどさっきも言ったように彼女の願いをなかなか聞いてあげることができないし、いつ自分が死んでもおかしくない仕事についているのにだ

「クリス…貴方の仕事は他の人と比べたら変わっていて…命がかかっている。他の女性は夫がいつ死ぬかもわからないしそんな仕事をしてほしくないって思う人だっているのかもしれない……けど私BSAAのクリスが大好きなの、かっこいいし誇りに思うわ」
「ナナ……ありがとう」

クリスは力強くナナを抱きしめて唇を重ねた
唇が離れてから彼女が小指を差し出す

「ねぇクリス…一つだけ約束して、記憶を失ってもどんなに大怪我をしても…生きて、必ず私の所に帰ってくるって約束」
「……あぁ、約束だ」

彼女の細い小指に自分の小指を絡ませるとナナシは嬉しそうに微笑んだ


* * *

「やった!隊長脱出できますよっ!!もうすぐですっ!!!」

脱出ポッドの準備を終えたピアーズが嬉しそうにガッツポーズをとる、そしてクリスに肩を貸してやり乗せようとしたときだった

「頑張ってください!生きてナナさんに会いましょう……うわっ!!?」

クリスはピアーズの身体を押して脱出ポッドに乗せると扉を閉めた
すぐに状況を理解したピアーズは扉を叩く

「何してるんですか隊長やめてくださいっ!!!!」
「ピアーズ……BSAAを…頼んだぞ」
「開けて下さいっ!!」
「それと……ナナに愛していると伝えてくれ」

脱出ポッドが発射される
クリスはそれを見送るとその場に跪いた



(すまない、お前との約束を守れなくて)


バイオ6での最後もし二人が逆だったら…しかしプレイ中もしこうなったらどうしようって何度も思ってました。クリス編は本当にグッとくる、泣ける

彼女の為に泣いた
121008


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