キスの日


「パパー」
「どうした?」
ちゅ
「きょうはキスの日なんだって、だからパパにちゅーする」
「そうか…じゃあパパもクロエに」
ちゅ
「だがなクロエキスしていいのはパパだけだぞ?特にレオンには絶対にするなよ?お前が他の男にキスしてる所なんて見たらパパは辛いんだ…っく!」

「ジェイクおにいたん」
「あぁ?…て、てめぇ何しやがる!」
「きょうはキスの日だからジェイクおにいたんにちゅーするの」
「ま、待て!…そういうのは好きな男とするもんだろうが」
「クロエジェイクおにいたんすき」
「そ、そういう好きじゃなくてよ…あーめんどくせぇ!」
ちゅ
「おら!これで気が済んだかよ」
「クロエからもちゅーする」
「ま、待て!お前の将来の為にも口はやめとけ!するんなら頬にしろ」
(ジェイクったら…)
影で見守るシェリーおねえたん

「ピアーズおにいたん、かがんで?」
「え?どうしたんだクロエちゃん。内緒話?」
ちゅ
「クロエちゃん…!」
「今日はキスの日だからピアーズおにいたんにちゅう」
「あ、ありがとう(まさか唇にされるなんて…すみません隊長)ほ、他の人にもキスしたの?」
「うん、ジェイクおにいたん」
「ジェイク!?(じゃ、じゃあ俺アイツと関節キスしたんじゃ…おぇっ!)」
「でもジェイクおにいたんはほっぺたじゃないとだめだって」
「…じゃあ唇にはしてないって事?」
「?うん、パパとピアーズおにいたんだけ」
「…そっか」

ホッとしたようにピアーズは小さな頭を撫でた

ソファーに座って雑誌を読んでいたジェイクにピアーズが声をかけた

「今日キスの日だってな」
「!!そ、それが何だよ」
「俺さっきクロエちゃんにキスしてもらったんだぜ、唇に」
「!?て、てめぇ何考えてんだ!アイツの事考えてやれよ」
「そんな事言ってるけど本当は羨ましいんだろ?」
「なんだと!?言っとくがな!てめぇより先にこっちはキスされてんだよ、てめぇより俺のが好きだって事だろうが」
「っ!けど俺は唇だぜ、唇!!」
「ハッ!!それがどうした、俺より後のくせによ」
「部屋出ろてめえ!!」
「上等じゃねぇか、ぶっ飛ばしてやる」
「ふたりともなにしてるの?」

騒がしい声にクロエがやってきた
すかさず二人は彼女の目線に合わせてかがんだ

「クロエちゃん、俺の事好きだよね?」
「うん」
「俺のが好きだよな?」
「ピアーズおにいたんもジェイクおにいたんもどっちもすきー」

ちゅ、ちゅ

「クロエちゃんには敵わないや」
「んだよ…」

二人とも唇にキスをされて真っ赤になって照れるピアーズとジェイク

その日の夕方
キスの日ということでソワソワしていたレオンのところにクレアがやってくると彼女は家の外にレオンを追い出した

「うっ!!」

ドサッ!!

「な、何のマネだクレア」
「今日はキスの日でしょ?クロエにキスする気でしょ?」
「それはもう当たり前「それ嫌だから日付が変わるまで外にいてね」
「そ、そんな待ってく…」

レオンの言葉には聞く耳を持たずに扉を閉める
扉を閉められたレオンは詰め寄って何度も扉を叩いた

「開けてくれクレア!ディープキスはしないからせめて唇にだけはこう…」
「もしもし?警察ですか、家の前に不審者がいるんですけど…」
「!?くっ…」
「あ、大丈夫です。どっか行ったみたいです」
「どうかしたか?」

クロエを連れてクリスが様子を見に来たのだがクレアは首を横に振った

「なんでもないわ兄さん」
「そうか…所でレオンのやつ知らないか?」
「…レオンがどうかしたの?」
「あぁ今日はキスの日だろ?クロエがレオンにどうしてもキスしたいってうるさくてな」

クレアはクロエの目線に合わせてしゃがむと口を開いた

「…クロエ、レオンはねお仕事に行ったの。今日は帰らないって」
「おいたんきょうはかえってこないの?」
「そうよ、だから明日レオンに会っても絶対にキスしちゃ駄目よ、絶対よ」
「クロエおいたんにちゅうしたい」
「クロエ、わかってちょうだい。ほらレオンは忘れてシェリーにでも遊んでもらいなさい」
「おにわであそびたい」
「…お庭だけよ、外に出ちゃ駄目よ?」
「うん」

その頃のレオンは街中を歩き回っていた

「トーマス愛してるわ」

ちゅ
ちゅ

「……どこもかしこもキスだらけで泣けるぜ」

公園に来たレオンはベンチに座ると深くため息をついた

「今日という日を楽しみにしてたのに…どうしていつもこう悲惨な目に合うんだ、俺はイケメンキャラだろ?」
「……たーん」
「!?今クロエの声が…ハハッそんなわけないか…」
「…おいたーん!」
「クロエ!?どうしてここに…?」
「おいたんの事探してたの」

はぁはぁと小さく息を吐き出すクロエ

「ど、どうして…」
「今日はキスの日だからおいたんにちゅうしたいの」
「クロエ…っ!わかった…邪魔が入らない内に「クロエー!探したわよー」
「クレア…!!」

クレアは二人に近づくとクロエの手を握る

「もうっお庭だけって言ったでしょ?…レオン、クロエに何もしてないわよね?」
「あぁ…」
「さぁ帰りましょー」
「おいたんもいっしょがいい」
「レオンは帰らないって」
「おいたんかえらないんならクロエもいる」

クレアの手から離れてレオンの手を握るクロエ

「…しょうがないわね。レオンも帰りましょ」
「!!あ、あぁ」
「ただしキスはさせないから」
「泣けるぜ…」

日付が変わる数分前のレオンの寝室

「クロエとキスできなかった…明日からどうやって生きていけばいいんだ。クレアの鉄壁は完璧すぎるだろ…」

泣きながら眠るレオンの寝室にそっと入るクロエ

「おいたん?」
「テコキ←(寝言)…zzz」

ちゅ ちゅ ちゅ

レオンの寝室に忍び込んで眠るおいたんに何度もちゅうするクロエちゃん…だがおいたんはちゅうされてる事など知らない


ツイッターで呟いていたキスの日(5月23日)ネタです
レオンのストーリーが長くなってしまいましたが楽しかったです


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