ヴィンセントはナナに銃を向けた
レオンがすぐに駆け寄ろうとしたがナナはすぐに手を挙げて彼を止めた
「ナナ!!」
ナナは手を挙げたままヴィンセントを見つめる
銃を向けて黙っていたヴィンセントは静かに口を開いた
「…君がこれからあの男と生きる世界は、こんなことが当たり前の世界なんだ」
ヴィンセントの言葉にレオンが目を見開いた
「怖い思いをしたり、死にかけることだってあるかもしれない…それでも君はいいのかい?」
「もちろんよ…覚悟はできてるわ」
ナナはヴィンセントに向けてすぐに答えた
彼がどういう世界で生きているのか館の事件を通じて知った
だがそれでもレオンの側にいたかったのだ
ヴィンセントは銃を降ろした
「こうなることは薄々感じていた…その指輪をずっと持っていた時点でね」
「ヴィンセント…」
「…さよならだナナ。元気で」
ヴィンセントはそう言うとその場を去っていった
残されたナナはすぐにその場に座り込んだ、すぐにレオンが駆け寄る
「大丈夫か?…」
「……えぇ、ほんの少しだけ…怖かったわ…」
「……彼が言ってたことは間違いじゃない」
レオンは眉間に皺を寄せて話した
「ナナ…俺はウイルスをこの世から完全に消し去りたい。ラクーンシティを襲ったあの悲劇が二度と怒らないように……だが俺が思っている以上に敵は多いんだ、危険なことだってある……それに俺といたら今みたいに危険な目にあうことだってある」
「レオン……」
一緒にならない方がお互いのため…なのかもしれない
「だけど俺は…それでもナナに側にいて欲しいんだ。もう君を離したくない、他の男に守らせたりもしたくない…わがままか?」
「…守ってくれるんでしょ?」
ナナはレオンの頬に優しく触れる
「貴方が私を守ってくれるんでしょ?これから先もずーっと……」
「あぁ…!命をかけて守る。だからこれから先もずっと俺の側にいてくれ」
「それってプロポーズ?」
「そうとってくれても構わない」
レオンとナナは笑いあって唇を重ねる
そして二人で手を繋いで歩きだしたこの後の1週間後
ヴィンセント・グレイは合衆国特務機関を去る
彼はその後各地を点々とし、色んな病気や怪我で苦しんでいる患者を助けた
しかし2004年に銃撃戦に巻き込まれ死亡。彼は生涯独身だった
レオンとナナは今も合衆国特務機関におり、互いに良いパートナーとなっている
2003年に結婚し、今も幸せな生活を送っているタイプライター・ロマンス
2011.08.05/完結