24


レオンとナナは近くの病院に連れて行かれた
事情聴取は10分程度で終わった。合衆国機関に所属している二人をそんなに問い詰める気はなかったのだろう
レオンは今病室のベッドの上にいた

「ケガの具合はどう?」
「あぁ…大したことないさ」
「そう…よかった」

レオンの言葉に安心した顔をするナナ

「だけど館では驚いたな……君があんな行動をするなんて」
「……守られてばかりは嫌だったのよ」

ナナはふ、と笑ってレオンに答えた

「でも…結局貴方に守られてばかりだったわね」
「いや…言っただろ?俺が君を守るって……それに任務は無事に終了したんだ、お互い無事でよかったよ」
「そうね……」

任務が無事に終わった
このまま帰れば、こうして話もできなくなってしまう
それに自分には婚約者がいるのだ…下手すればもう二度と…

「ケネディさん…」
「ん?」
「……ありがとう側にいて、守ってくれて」

ナナが少し頬を赤く染めながら微笑んでお礼を言った
その表情にレオンの心臓が鳴る

「俺こそ…助けてくれてありがとう。……後数時間したら迎えが来る、それまで自由に過ごしていい」

レオンはそう言って目を閉じた
心配になってナナは彼の顔をのぞき込んだ、どうやら疲れていたらしく彼はそのまま寝てしまったらしい
ナナはゆっくりと立ち上がって病室を出た

「この街を懐かしいと感じたのは…気のせいなんかじゃない……」

ナナは迎えが来るまでの数時間の間に何か自分の記憶の手掛かりをつかもうと街を搜索することに決めた


街を出たのはいいがどこを探せばいいのかわからない
どこに何があるのかもわからないし、景気などを見ても一向に思い出せない

「ケネディさんについてきてもらえばよかった…?」
「あれ?…貴方……」

ナナが考えているとひとりの女性に声をかけられた
その女性はナナを見るなり瞳に涙を浮かべた

「ナナ?ナナじゃないの!!?生きてたのね!!」
「!!?」

女性は泣きながらナナに抱きついてきた
それよりも女性の生きていたという言葉が気になる

「あの…貴方……」
「ああぁあ…ごめんね。アタシよエリーよ?覚えてない?大学の時同じ医学部だったでしょ?」
「大学…医学部…?」

自分はこの街の大学に通っていたのか、とナナは思った
そしてその女性はナナから離れた

「でもこうして無事に会えただけでも嬉しいわ…それで彼氏は無事だったの?」
「彼氏……?」
「え?だって貴方あの日恋人がラクーンシティの惨劇に巻き込まれたかもしれないって言って飛び出して行ったじゃない」

ラクーンシティ…?
私が…?ラクーンシティの惨劇は知っている。資料とかで読んだことがあるから
でも私自身があの街に行ったことがあるって…!?

「大丈夫?」
「え……えぇ……」
「せっかく会えたから話していたいんだけどもう行かないといけないの…ごめんね。でも貴方のこと心配してた人はたくさんいるから挨拶してきたら?」
「そう…ね……」

エリーはそう言ってその場を立ち去った
ナナは驚きで頭がいっぱいだが確信した
やはりこの街には何かがある


110722

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -