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1台の車から二人の男女が降りた
その二人とはレオンとナナだった。レオンは目を細めて街を見た

数年ぶりか…そしてナナと帰って来れるなんてな…

レオンは隣にいるナナに目をやる
当然だが彼女はこの街に住んでいたことの記憶など一切ない
珍しそうにキョロキョロと周りを見渡している

「何か珍しいものでもあるのか?」
「…いいえ、ただ"初めて来る場所"だから色々と見ておこうと思って…」
「……そうか、いい街だろ?」

レオンの言葉にナナは彼を見る

「貴方…この街を知ってるの?」
「知ってるも何も俺はこの街で育ったんだ」
「そうなの…」

彼はそう言うと懐かしそうに街を見ていた
その姿にナナは何故か目を奪われ、同じように見渡す


不思議だわ
初めて来るはずなのに…何故か懐かしいと感じるのはどうしてかしら?

「何としてでもウイルスを食い止めないとな」
「…そうね」
「そろそろ向かうが準備はいいか?」
「えぇ…大丈夫よ」

この美しくて静かな街にウイルスが忍び寄ろうとしている
何としてでも守らなければならない
その気持ちが更に強くなった。それはレオンの故郷だと聞いたからだろうか?
それともこの街を気に入ったから?先程の懐かしい感覚があるからだろうか?
色々と考えながらもレオンとナナは街の外れにある屋敷へと向かった


「随分深いな…」

まるで樹海のようだとレオンは思った
そして後ろを歩いているナナへと目をやる

「大丈夫か?」
「えぇ…なんとかね…」

足元の丸太を乗り越えてナナも周りを見渡す
同じような景色がずっと続いている
これほどまでに深い森がずっと昔からあっただろうか?とレオンは考えた
そして森の奥にある館の話など聞いたことがなかった

「きっともう少し先で館が見えるはずだ…頑張れよ」
「えぇ…ありがとう」

レオンに励まされながら森の中を歩き続ける
すると目の前に館が見えた。随分と古い館で100年は経っている感じだった
レオンは銃を構えて扉へと忍び寄る、中から音は聞こえない事を確認する
隣にいるナナに1丁銃を渡した

「何があるかわからない…できるだけ君のことは守るが危なくなったら使ってくれ」
「…わかったわ」

ナナは銃を受け取り重みをしっかりと感じた
そしてレオンは扉を蹴破って館の中へと入り込んだ。それにナナも続いた


館の中で待ち受けるものとは…!?
110715

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