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「はいヴィンセント」

パソコンに目を向けていたヴィンセントは振り返る
ナナがコーヒーを煎れてきてくれたのでそれに微笑んでマグカップを受け取る
ヴィンセントに渡したナナは彼の横に座る

「ナナ、そこの資料読んでおくといい。きっと役に立つ」
「……」
「ナナ?」
「え?あ、ごめんなさい…何だったかしら?」

ナナは声をかけられてようやく我に帰った
ヴィンセントはすぐに彼女の顔を覗き込んだ

「君がボーッとしてるなんて珍しいな、どうかしたのかい?」
「えっと……」

ヴィンセントに尋ねられてナナは先程の事を思い出す
それはレオンに告白されたことだった


『惚れてるって…?』
『そのままの意味だが?』

ナナは驚きと照れで顔を赤くさせる
レオンはそんな彼女の表情を見てクス、っと笑う
だがナナは首を横に振った

『…悪いけど貴方の気持ちは受け取れないわ、私にはヴィンセントがいるし…それに私が貴方の"彼女"に似ているからそんなことを言うんでしょう?』

レオンはナナの言葉に何か言いたげだったが口を開くのをやめた

『そうだな…君は昔の俺の"彼女"に似ている』
『やっぱり…』
『わかりにくいが…君は君だ。似ているとかそんなのはどうでもいい…俺はナナが好きなんだ』
『?…何を言っているの?』
『俺が好きなのは君だ…彼氏がいても関係ない』

記憶喪失という壁が俺の気持ちを邪魔するというのなら

『絶対に俺に惚れさせてやるから、覚悟しておくんだな』

俺はその壁を乗り越えてみせる

『わ、悪いけど失礼するわ"ケネディ"さん!』

ナナは急いで部屋を出ていった


「あの男と何かあったのかい?」
「……告白されたわ」

ナナの言葉にヴィンセントは目を見開いた
だがすぐにナナは微笑んだ

「大丈夫…私がケネディさんを好きになるなんてことは"絶対"にないわ。私が好きなのは貴方よ、ヴィンセント」
「……この世に絶対なんてないんだよナナ」
「え…?」
「……いや、ナナがその気持ちでいるなら安心したよ。さぁ早く資料を読んでおくんだ」
「えぇ」

ナナは手元の資料に目を通し始める
ヴィンセントはその様子を見て彼女の頭を撫でる、そして電話をしてくる、と一言告げて部屋を出た
部屋を出たヴィンセントは拳を握り締めた

「レオン・S・ケネディ……君がどう足掻こうがナナは僕のものだ」

ヴィンセントは歩きながらポケットから携帯を取り出す

「……もしもし父さんかい?あぁ…決めたことがあるんだ聞いてくれるかい?……ナナと結婚したいんだ」


ヴィンセントは悪役キャラではないですよー…少しでも好きな人がいてくれたらいいなーとか思うんですけどねww
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