12
「ナナ…」
見覚えのある背中に声をかけるレオン
その声に気づいた人物――ナナは振り返ると優しく微笑んだ
嬉しくなって彼女の元へと駆け寄ろうとした、が
突然周りがラクーンシティの風景になる。そこに佇むナナ
駄目だ、そこにいるのは危険だ…!
レオンはナナに声をかけるが声が出ていない
ナナの下にミサイルが降ってきて彼女が跡形もなく消えた
「うわああああぁぁぁあっっっ!!!」
大きな声を上げながらレオンは目を覚ました
大量の汗をかきながら呼吸を落ち着かせる、夢だった
いや、夢ではなかったのかもしれない
レオンは自分を取り囲んでいる男たちにため息をついた
「ようやくお目覚めのようだな」
「…最悪の目覚めだ」
男の言葉にレオンは答えた
「どうやら君の彼女は見つからなかったようだな」
「……何も知らないのか?ナナの行方を」
レオンの言葉に男は首を振る
その態度に少々レオンはイラついた
「ラクーンシティの生存者は少ない、リストを調べたが彼女の名前はなかった。恐らく死んだんだろう…ミサイルと共にな」
生存者リストにナナの名前はない
絶望だった。彼女が死んだなんて信じたくない
いや…死んだなんて誰が決めた?
「君は明日から特殊訓練を受けてもらう…彼女のことは忘れて訓練に打ち込むんだな。エージェントとして君を育てる」
「エージェント……」
政府の裏に身を置くことになったレオン
だが彼は諦めていなかった
これはチャンスだ。政府の裏に身を置けば色々と情報を得ることができるはずだ
ナナが死んだという確証はない。どこかで生きているかもしれない
ここに身を置き、同時にナナを捜す
「ナナ……」
レオンはポケットに入れていた指輪を見る
ナナとお揃いの指輪、これが彼女と自分を繋ぐ鍵でもあったりする
「必ず君を探し出してみせる」