06


寂しそうな瞳で涙を流す彼女はとても美しかった
俺の背中に抱きついて気持ちを伝えてきたナナを優しく抱きしめた
半年近くも会えなかったのだ。寂しい気持ちが一気にこみ上げてきたんだと思う
俺だって本当は今日が終わるのが嫌だった、別れるのが嫌だった

「レオン…」
「ん?」
「……もう少しだけ一緒にいて、10分…5分だけでもいいから……私の部屋に来て」

ナナからの誘いにはレオンも驚いていた
いや、彼女にはそんな気はないだろう
本当に寂しくて言った言葉である。こういう時の男の考える性をレオンは少々恨んだ
ナナを傷つけることだけはしたくない
レオンは頷いて彼女の部屋へと入った


彼女の部屋はとてもシンプルで必要なもの以外は置いていなかった
女の子特有のぬいぐるみだとかそんなものは一切なく、医学関連の本がたくさんあった

「ごめんね…明日も学校なんでしょ?」
「気にするな。それにナナからのせっかくのお誘いだしな」

そう言ってやるとナナは頬を赤くさせた
少しからかって言っただけのつもりなのだが

「お、おい…大丈夫だ。何もしないからな」
「……一つになるってどんな気持ちなのかしら?」
「!?」

彼女の発言にレオンは目を見開いた
ナナはちらり、とレオンを見て顔を俯かせた
彼女なりの精一杯の誘いだったのかもしれない、レオンは彼女を抱き寄せてキスをする

「今のは誘いととってもいいのか?」
「……えぇ、いいわ」

レオンとならいいわ、と耳元で囁いた
彼はたまらなくなってナナを抱き上げてベッドまで運んだ
緊張しているのか体をガチガチにさせる彼女の不安を取り除くように何度も優しくキスをした

「レオン…」
「愛してるよナナ」


その日
俺とナナは初めて体を重ねた
彼女は初めてだったらしく俺はとても嬉しかった
俺しか知らない体なのだ、と

「なぁナナ…」
「ん?」

行為を終えた後ベッドの中で横になる二人
疲れたのかグッタリとしているナナにレオンが話しかける

「今…金を貯めてるんだ。……来年ぐらいに二人で一緒に暮らさないか?」
「え…?」
「俺も…ナナとずっと一緒にいたいんだ。嫌か?」

嫌なはずがなかった
今日になってわかった離れるのが嫌で仕方ないことぐらい
ナナはレオンを見た

「私も…貴方と一緒に暮らしたい」
「そうか…」

レオンはナナを力強く抱きしめた


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