04



受験戦争とも言える時期だった
ナナが大学受験を受けて、今日その結果が出ることになる
俺は不安がる彼女と一緒に結果を見に行った
学校に着けばたくさんの人が来ている、中には喜んでいるものや落ち込んでいるものなど様々だった

「いよいよね……」
「大丈夫、ナナなら受かっているさ」

不安がるナナにレオンは優しく微笑む
その表情を見て彼女も力強く頷いた
そして自分の受験番号と貼られている紙から探していく

「40785……40785……」

自分の受験番号を呟きながら番号を探していく
レオンも同じように目で探していく

40773、40777、40779、40781

「40785……」

あった
ナナの受験番号が確かにそこにあった
何度も自分の持っている紙と貼られている結果を見る
そしてやっと受かったのだということがわかるとナナは声を上げた

「やった…あったわ私の番号が!!」
「やったなナナ!」
「ありがとうレオン、ありがとう!!」

涙を流しながらナナはレオンに抱きついた

これでお互いの道が決まり
卒業までの短い間レオンとナナは一緒に過ごした


そして卒業の日

「卒業おめでとう」
「お互いにな」

卒業式が終わりお互いクラスの打ち上げには行かずに二人で過ごすことにした
近くの喫茶店に入り食事をする

「なんだかあっという間の3年間だったなぁ…ホント、時が経つのは早いね」
「あぁ、あっという間に爺さんになるんだろうな」
「でもこれからよ。これからが楽しみだわ」

ナナは力強い瞳をしてレオンを見る
ようやく彼女の夢が一歩近づいた、たくさんの人々を助けるという夢を
それはレオンも同じだった

「…これから会えなくなることが多くなるかもしれないが、君を好きだという気持ちは変わらないからな」
「……私もよ。毎日電話するかも、お互い会えるときには必ず会いましょ。約束よ」
「あぁ」

二人はそう言うとその日は夜遅くまで過ごしてから別れた


1996年
二人が別々の道へ歩きだした時だった


110519

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