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18歳――俺は君と出会い
21歳――君と将来の約束をし

そして――俺は君を失う


タイプライター・ロマンス


アメリカにあるごく普通の学校
毎朝学校に来ては授業を受け、休み時間には友人と過ごし放課後に約束をしたりなどそれぞれの自由があり何ら変わらない学校生活だ
そしてある教室の一室で数人の女子生徒がコソコソと教室の中を覗いている

「はぁ…いつ見てもかっこいいわね」
「ほら早く行きなさいよ」

一人の友人に押され女子生徒が中に入る
ドキドキとうるさい心臓を抑えながらも彼女は目的の人物の所へと向かう

「あの…っ!」
「ん?」

ノートで授業内容をまとめていた男――レオン・S・ケネディ(18)がそちらを見た
彼に見つめられて更にドキッと心臓の音を鳴らした女子生徒は顔を赤く染める

「何か用か?」
「ああああの…ずっと前から好きでしたっ!私と付き合ってくださいっ!!」

彼女からの告白に教室にいた何人かが一斉に二人を見る
レオンは彼女の告白を聞いて優しく微笑んだ

「俺を好きになってくれてありがとう……でも君とは付き合えないんだ。ごめん」
「!!……そ、そうなんだ…」

女子生徒はフられると涙を耐えて教室を走り去っていく
彼女の涙に気づいたレオンは申し訳なさそうな顔をして去っていた方向を見送ると、そのまま立ち上がり教室を出る

彼が告白されて女の子がフラれるというのはもう珍しくもない
1ヶ月ほど前まで付き合っていた女がいたのだが彼の進路でモメてしまい、別れたのだという。彼の夢は警察官になることだ、彼の両親は殺人犯によって殺されてしまった
そのときからレオンは警察官になることを誓った
自分と同じように悲しい思いをさせないために一人でも多くの犯罪者を捕まえることができればいいと、そのような正義感が湧いたのだ

「……さっきから頭が痛いな」

夕べ遅くまで起きて勉強をしていたため寝不足だった
彼は頭を押さえながら医務室へと向かう、扉を開ければ薬品の臭いが鼻につく
教師はいないようだった

「誰…?」

奥から一人の少女が出てきた、レオンと目が合う

「先生はいないか?頭が痛くて眠りたいんだが…」
「先生は今出ていていないわ…ベッド空いてるから使ってもいいよ」
「…どうして君が判断するんだ?」
「あぁ…私先生の代わりなの、だから」
「なるほど…それじゃあ少し借りるよ」

納得したレオンは彼女に微笑んでベッドへと向かう
綺麗に整理された皺ひとつないシーツをめくり、レオンは横になる
するとカーテンが空いてそちらを見れば彼女がボードとペンを持って来た

「一応クラスと名前書いておかないといけないから…教えてくれる?」
「3−Dクラスのレオン・S・ケネディだ」
「ありがとう…それじゃあおやすみなさい」

彼女は微笑んでカーテンを締めた
その微笑みを見てからレオンはすぐに眠りにつくことができた

彼女の名前はナナ(18)
これがレオンとの初めての出会いだった


始まりましたレオン連載!高校生レオンはモテてたはずです!構造ありまくりですがお付き合いいただければと…1話目にしてヒロインの名前が全然出てこないですが次回から絡んでいければと……
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