恋人ごっこもあしたまで


街中を歩く二人の男女
一人の女性は男の前を歩きブツブツと何か言いながら紙を見ている
もう一人の銀髪の男は紙袋を両手に抱えながらその後ろを歩いていた

「まだ買い物するのかー?」
「後一件ですー」
「なんで昨日も買い物したのに今日もするんだ」

その言葉にナナは足を止めた

「もう!ダンテさんが昨日久しぶりに帰ってきたと思ったらイキナリご飯を全部食べちゃうからじゃないですか!」
「仕方ないだろ?仕事行ってた3日間はまともにメシが食えなかったんだ」

それに、とダンテはナナに近寄る

「ナナの料理は世界一ウマいからな」
「っ…」

顔を赤くして照れてしまったナナにくくっ、と喉の奥で笑うとダンテは先を歩いていく
夫婦のような会話をしているがこの二人は恋人止まりだ
そろそろ結婚をしてもいいのではないか、というぐらい二人の関係は長い
だがあんなに甘い言葉を吐くダンテだがプロポーズらしき言葉はまだない
自分は女だし、結婚願望や子供が欲しいと思っている
ダンテにはそういうものはないのだろうか?

「早く来いよbaby」
「ご、ごめんなさいすぐ行きます!」

走ってくるナナを見てダンテは微笑むとまたゆっくりとだが先に歩き始める
その背中を追いかける途中でナナの視界の端に何かが映った
それを見ようと足を止める

「わぁ…綺麗……」

それはガラスの中にウエディングドレスが飾られていた
思わず近寄ってじっと見つめる
いつか自分にも着れる日が来るといい…そう思いながら見つめる

「humm…綺麗なドレスだな」
「わっ!ダンテさん…」

いつの間にか後ろに立っていたダンテに驚いて声を上げる
ダンテはその様子に可笑しそうに笑うと行くぞ、と声をかける
名残惜しそうにナナは離れた

「ナナ」
「はい?」
「着たいか?」
「え?」
「着たいか?あのウエディングドレス」
「そ、それはまぁ…いつかは…」

ナナは恥ずかしそうにだが答える

「俺が着せてやろうか?あのドレス」

ダンテの言葉に思わず固まる
固まってしまった彼女にダンテはやれやれといった様子で笑った
そして言葉の意味がわかったナナは益々顔を赤くさせたと同時に涙を流した





恋人で嫁さんみたいだけど一歩手前関係。「俺と結婚してくれ」とか「幸せにする」とかそういうプロポーズももちろん素敵でいいんですがダンテはこんな風に演出をつけて言いそうですww
確かに恋だった
110616


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