とびきり甘いのをお願い


「えいっ!」

焚き火の火をつけていた承太郎
その背中にポスン、という音と掛け声が聞こえた
何事かと背中を見てみればなまえが抱きついている
やれやれと承太郎は声をかける

「何してんだ」
「え?え〜っと……」

承太郎に問われて困った顔をするなまえ
彼女は承太郎が好きなのだがなかなか想いを伝えることができない
そんな彼女にアドバイスをしたのがポルナレフとジョセフだ
言葉にできないなら行動で表してみたらどうか、と言われたのだ
そこでなまえなりに好きを表現したのが抱きつくという行動だ

「いい加減離れてくれねぇか?」
「っ…い、いや」
「……」
「じょ、承太郎の大きな背中を見てたら、実家の犬を思い出して…あの…」

そこから何も言えなくなってなまえは承太郎の大きな背中に力強く抱きついた
彼女が何故このような行動をするのか……
以前ポルナレフやジョセフになまえは自分のことが好きだと言われたことがある
そこから彼女の行動を観察してみれば食事の時も見ていたり、歩いているときも横にいたりする
口で伝えるのが苦手なのだろう、それは自分も同じだ
だがいい加減に彼女の口から聞きたい

「俺はおめーの家の犬じゃねぇ…そろそろ離れろ」
「…やだ。アルは抱きついていても嫌がらないもん」
「それはお前の事が好きだからだろ……そうだななまえ、俺に好きだと言ってみろ」
「!!!」

承太郎の言葉になまえがものすごいスピードで顔を上げた
顔を真っ赤にさせて戸惑ったなまえが承太郎を見れば意地悪く笑っている承太郎がいる

「好きだって言ったらいくらでも抱きつかせてやるぜ」
「ぅ…」
「…言わねぇなら離れるか」

承太郎が立ち上がろうとするがなまえが力強く抱きついて阻止する
仕方なくまた座った承太郎が彼女を見る

「オラ、言え」
「………っ」
「……」
「…す……き……承太郎…っ」

それだけ言うとなまえはまた彼の背中に顔を埋めた
承太郎は顔を赤くさせて精一杯伝えた彼女を笑う

「よく聞こえなかったな…もう一度言ってもらおうかなまえ」
「!!…うわーん承太郎のイジワル〜!」


とびきり甘いのをお願い


承太郎に意地悪されたい
確かに恋だった
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