砂糖漬けのくちびる


人間、慣れないことはするものではないと思う


承太郎のキスはすごいと思う
まるで魔法のようだとさえ、キスをされれば力が抜けるし何も考えられなくなる
だけどそんな風になるのはなまえだけで
承太郎はどうなのだろうかと考えた

自分がこうなるのなら
彼だってきっと魔法にかかるはず

自分からキスすれば……


「承太郎……キスしていい?」
「……なんだいきなり」

隣で珍しく勉強をしていた承太郎がなまえに顔を向ける
じっと見られていたらできなくなってしまうと思ったなまえは承太郎の顔を両手で挟んで唇を重ねた
彼女の行動に驚いて最初は目を見開いていた承太郎だがゆっくりと瞳を閉じた
だがほんの3秒程でなまえは唇を離した

「ハァッ…どう?承太郎」
「……何がだ?」
「え!?いや…だからその…気持ちよくならなかった?」
「今のでか?」

承太郎の言葉にショックを受けるなまえ
彼の顔を見れば全然余裕といった表情が見られた
自分からキスをして3秒程でも自分にとっては頑張った方だというのに彼女の言う魔法に彼はかかっていない
承太郎はなまえの手を掴んで自分の方に引き寄せた

「何を企んでやがる?」
「いえ…その………承太郎に自分からキスをしたら私がいつもされてるように承太郎も気持ちよくなるのかなぁー…って……」
「……ふん、なるほどな。だがなまえ今のじゃまだまだだな」
「うぅ……」
「…教えてやる。キスってのはこうだ」

承太郎に顎を掴まれて唇を奪われる
なまえは目を見開いていたが承太郎と目が合い慌てて目を閉じる
舌を絡められて彼女の言う魔法にかかっていく
力が抜けて何も考えられなくなってしまう
しばらくしてやっと唇が離された。なまえの表情を見れば頬を赤く染めて目に涙をうっすらと浮かべている

「わかったか?キスってのはこうするんだ…」
「…承太郎はどうして余裕なの?」
「余裕?そうでもねぇぜ」
「え?」
「俺はお前のキスに余裕はあるが……その顔には余裕がなくなるぜ」


砂糖漬けのくちびる
(お前の唇は甘くて、気持ちがいいぜ)


この話昔にも似たような話を書いたことがありまして、まぁリメイク版というかなんといいますか…承太郎のキスは絶対すごいよね!って事です
約30の嘘
110502


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