とある似非紳士の策略


「俺は狙うぜ、あのかわい子ちゃんを」

署内の自販機の周りに数人の男たちがいた
その中の一人が回りの男たちに大きな声でそう告げる
自販機から出てきた缶を取りながら仲間の一人が答える

「狙うって誰をだ?ケビン」
「2ヶ月前に入った新人のナナだよ」
「あーあの子か…確かに可愛いし他の野郎も狙ってるって噂だな」
「あんなに可愛い子がSTARSなんだぜ?本当に銃とか握れんのかなー?俺が守ってやるのに……」
「けどよケビン、そのSTARSが警官のお前なんか相手にすんのかね?部署も違うし……」
「だからこそ落としてぇんだよ……あ!」

ケビンが声を上げた先にはたくさんの書類を抱えたナナがいた
すかさずケビンは彼女の元へと走っていく
仲間はがんばれよ、と様子を遠くから見守る事にした

「よお、重そうだな」
「!あなたは確か……ケビンさん?」
「そうだ、覚えててくれたんだな」

毎日声をかけていれば嫌でも覚えるだろう、と仲間は思っていた
ナナはそんなケビンを嫌がらずに微笑んで応えている

「それどこまで運ぶんだ?持ってやるよ」
「いいですよ!それにこれは私がウェスカー隊長に頼まれたので…」

二人が書類の引っ張り合いをしているとナナが誰かの身体にぶつかる
それと同時に書類がバラバラになってしまった
慌てて書類を集める二人にぶつかった相手も声をかける

「すまない!大丈夫か?」
「こ、こちらこそごめんなさい……あ、クリス隊員!」

ぶつかった相手はナナの先輩クリス
クリスも同じように書類を拾う

「ウェスカーの所まで運ぶのか?」
「は、はい…」
「俺も用事があるから運ぶの手伝うよ」
「ちょ、ちょっと待て!クリス!」

今まで黙っていたケビンが口を開いた
驚いて二人はケビンの方を見る

「俺が先に手伝うって言ったんだ。お前はいいよ」
「いやぶつかって書類をバラバラにさせてしまった責任もあるし、俺が運ぶよ」
「だからそれを俺が……」

なかなか納得しないケビンにクリスは苦笑する
それを見たナナがケビンの両手を握った
握られた事でケビンはドキリ、と心臓を鳴らす

「ケビンさん。今回はクリス隊員にお願いしますね、ケビンさんも書類を拾うのを手伝ってくれてありがとうございます」
「え?あ、はぁ……」

クリスと並びながら書類を持っていく背中を見届けるケビン
そんなケビンを哀れに思う仲間たち
仲間達はケビンの元へ近づき励まそうと声をかけた

「見たか!?ナナに手を握ってもらえたぜ!!俺はまだまだ諦めないからな!!」
「幸せだなお前」
「恋は盲目」




あれ?ケビンは私の中でカッコイイイメージがあるのにこの話ではキャラ崩壊しておバカになってしまったww次書くとしたらかっこいいケビンを…クリス+ヒロイン←ケビンのような関係になってしまった

101205


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