ずっとここは午後3時


私は今、あの人に恋をしている



「いらっしゃいませー」

店内に二人の男が入ってきた、しかもその二人は警察の服を着ている
喫煙席へと案内されて座る二人

「やっぱり休憩の時はここに来るに限るな!そう思うだろレオン」
「…ただ女漁りに来てるだけだろ、ケビン」
「ここのカフェの女の子はみんな可愛いからなー。レオン、お前だってラクーンシティに来る前に振られたらしいじゃねぇか。ここで彼女見つけたらどうだー?」

ニヤニヤ笑いながら店の中の女店員を見るケビン
その彼の行動にレオンはため息をつきながらメニューを見る
休憩時間中にいつもここのカフェに来るケビン、レオンはほぼ強引にケビンに連れてこられて来た
その時ひとりの店員がやってきた

「ご注文お決まりですか…?」
「よーナナじゃねぇか、元気か?」
「ケビンさん、えぇなんとか」

ケビンと会話する女性の名前はナナ
その二人…というよりレオンはナナの方をじっと見つめていた
ケビンはその間に注文する。彼の視線に気がついたナナは顔を赤くさせて奥へと走っていく

「君は…!?」
「レオン、ナナの事知ってるのか?」
「……いや、人違いかもしれない」
「…まぁナナはドジで天然な娘として有名だからな。ま!そこがまた可愛いんだけどよ!」

大きな声で笑うケビンを見ながらレオンは思い出していた
数週間前の出来事を……


*****

公園の中をパトロールしていたときのことだった
特に異常はなく犬の散歩をしているものや子供たちの笑う声、平和な1日でレオンも微笑んでその光景を見ていた。その時だった向こうからものすごいスピードで走ってくる女性が見えたのだ、それがナナだった

(あああぁぁあ〜!私ったら目覚ましかけるの忘れちゃって寝坊しちゃったわ!)

そんなことを考えていた時だった、ナナは躓いてレオンの胸にそのまま飛び込んでしまい突然のことに受身を取れなかったレオン。二人はそのまま近くの噴水に飛び込んでしまったのだ

「……泣けるぜ」
「……きゃああぁっ!!ごめんなさい…っ、怪我してませんかっ!?」
「大丈夫だ…それより君は?」
「わ、私は大丈夫です」

ずぶ濡れになった二人はとりあえず噴水から出る
そしてナナはハッとなって時計を見た

「あああぁっ!!大変っ!遅刻しちゃうっっ!!ご、ごめんなさい…私急いでるんでっ……」
「……おい、その格好で行くつもりか?」
「濡れてるのはもう仕方ないです…着替えとかないですし…」
「……そうじゃなくて、下着透けてるぞ」

レオンに言われてナナは自分の姿を見た
白いブラウスにクッキリと下着のラインが見えている、それにまたも悲鳴をあげる
そんな彼女にため息をついたレオンは自分の上着を彼女に着せる

「え…?」
「それ着ていけば大丈夫だろ、早く行くといい」
「あ……ありがとうございます」

ナナは頭を下げて走っていった
レオンはその背中を見送りながら彼女の名前や店のことを聞けなかったことを思い出し、またもため息をついた


*****

「ど、どうしよう…」

一方ナナは店の奥でレオンと再会したことに驚いていた
手にはあの日レオンに借りた上着を握り締めていた。彼女も彼女でレオンの事を何も聞いていなかったので上着を返す手段がなくて困っていた。いつか彼に会えたらと店の自分のロッカーに置いていたのだ

「なんていって返そう…ありがとうで十分よね?あああぁ…でもケビンさんに噴水に落ちたことがバレて笑われてしまうかも…」
「ナナ!4番テーブルに持っていって!!」
「!は、はいっ!」

4番テーブルはケビンとレオンがいる席だ
ナナは上着をロッカーに閉まってすぐに彼らが頼んだものを持って向かう
その間も上着を返す方法をずっと考えていた、がそれがまた災いする
彼女がまた躓いて宙を舞ったコーヒーが街のゴロツキ共にかかってしまったのだ

「あちぃっ!!!」
「ぁ…す、すみませんっ!!」
「おいおい姉ちゃん…謝っただけじゃすまねぇだろ」
「ああああの…」
「俺らに付き合ってもらうぜ」

ナナが男共に腕を引かれる、だがその時だった

「謝ったんだからそれぐらいにしておいたらどうだ?」
「あ〜?…!け、警官!?」

男たちはレオンに驚いてナナの手を放す
そして急いでその場を去った、レオンはその場に座り込んでいるナナに声をかける

「大丈夫か?」
「っ…!!」

ナナは急いで立ち上がって店の奥へと走っていく
レオンはその背中を見つめていたがそちらへと同じように足を進めた




「私ったら…助けてもらったのに…」

ガックリと肩を落とす
そしてロッカーから上着を取り出してレオンの顔を思い出した

「助けたのに礼もないのか?」
「!!あ…貴方は…」

入口の扉に立っていたのはレオンだった
彼はゆっくりとこちらに近づいてくる、ナナは上着を握り締めたままレオンを見た

「それは俺の……やっぱり君だったんだな」
「は、はい……あの、あの時とそれから…さっきもああありがとうございますっ!」
「…いいえ、どういたしまして」

彼女から上着を受け取るレオン

「…ドジで天然で有名らしいな」
「!…は、はい…」
「見ていてそれがすごくわかったからな、この間も今日も……」

ナナはレオンからの言葉に落ち込んでいた
こんなにドジで迷惑をかけている自分が彼に恋をしている、などと伝えたらきっと迷惑だろうと
だが落ち込んでいる彼女の頭をレオンは優しく撫でた

「だから俺に君を守らせてくれないか?」

レオンの言葉の意味に天然な彼女が気づくまで後数秒だ





どんだけドジなんだこのヒロイン!そしてそんな彼女に惹かれるレオンなのでした。2レオンでラクーンシティが崩壊していなかったらの世界です、でも口調とか4っぽいですがまぁこれはこれでいいでしょうww
約30の嘘
110822


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