それでは誘惑の準備を


「お荷物です」
「ご苦労さまー」

配達員から箱を受け取ってナナは差出人を見る
そして懐かしそうに微笑んだ

「何か届いたのか?」
「クリス」

ナナの様子に気がついたクリスがこちらに来る
そして彼女は箱をクリスに見せながら話をする

「日本の友達から来たの」
「日本…?」
「そうよ、学生時代こっちの学校に通っていた友達なの」

何が届いたのかしら?とナナはワクワクしながら部屋の奥へと進む
クリスも日本から何が届いたのか気になって後を付いていく
箱の中身をワクワクしながら開けるとわぁ、と声を上げた

「なんなんだこれは?」
「浴衣よ、日本ではお祭りの時とかにこれを着て出かけるの」
「浴衣…」
「綺麗な柄…」

ナナが浴衣を取り出して大きく広げる
クリスも同じように見ていた、そして箱の中をもう一度見て気づいた

「…もう一枚入ってるぞ」
「え?あ、ホントだ………こっちはクリスのかもね」
「え?俺に??」
「これ男性用だからきっとそうよ!」

クリスは浴衣を取り出して広げて見た
自分が着ているような服とはまったくタイプが違う

「せっかくだしちょっと着てみようかな…クリスも着てみれば?」
「あ、あぁ…」

ナナは浴衣と帯びを持って隣の部屋へと向かう
残されたクリスもナナが持っていた帯びを取り出して困惑しながらとりあえず服を脱いで浴衣を羽織ってみる

「これ…下はズボンじゃないのか?」

どちらを前にしたらいいのかもわからない
困惑しているクリスの所にナナが帰ってきた

「お待たせー」
「ナナ…!」
「どう?綺麗でしょ?」
「あぁ…」

ナナが笑ってクルリと回る
そしてクリスの格好に気がついた

「クリス…どうしたの?」
「ナナ…俺は浴衣が初めてだから着方がわからないんだが…」
「!あ…そっかごめんね!」

クリスに謝って彼から帯びを受け取る

「クリス、中のシャツも脱いで」
「下着だけになるのか?」
「そうよ」

わかったと答えるとクリスはシャツを脱いで上半身裸になる
鍛え上げられた肉体に思わずナナは頬を赤く染めて顔を横に逸らした

「脱いだぞ……どうかしたのか?」
「!!あ、なんでもないわ!さぁ浴衣を羽織って…」

様子がおかしいナナに首を傾げていたがクリスは言われたとおり浴衣を羽織る
体格がいいクリスは浴衣を羽織っただけでも様になっていた
ドキドキしながらもナナはクリスの浴衣の帯びを締める

「…はい、できた」
「…結構動きにくいな」
「あんまり派手に動いちゃダメよ。着崩れちゃうから」

クリスは浴衣を着て鏡の前に行く
いつもと違う雰囲気に戸惑っているようだった
しかし彼の浴衣姿は本当に似合っており改めて惚れそうだった
こちらを見ている視線に気がついたクリスはナナに微笑んだ

「惚れ直したか?」
「な、何言って…」

クリスは慌てるナナに近づき彼女の耳元で囁いた

「君も綺麗だ…最高にな」
「クリ…ス…」

そのまま流れるようにクリスはナナの唇にキスをする

「せっかくだし今日はこのまま過ごすか」
「…うん、いいね」
「ところでナナ、君も下着だけなのか?」
「え?あ、まぁ…」

それを聞いたクリスはニヤリと笑った

「夜が楽しみだな」
「!!」

せっかく送られてきた浴衣が皺だらけになることを考えてナナは心の中で日本の友人に誤った





不器用なクリスとあのガタイに浴衣絶対似合うだろうなーと妄想しました、もう胸元見えてたら最高ですよww
確かに恋だった
110808


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