明日が来ないと分かっていても人は眠る事ができるのか


白い清潔感のある部屋のベッドでナナは窓から外の景色を見ていた
すでに外は夜だった。夜空にはいくつもの星が輝いており空を輝かせていた
そんな美しい空を眺めながら切なそうな表情で見つめていた
その時部屋の扉がノックされる

「ナナ」
「クリス…」

部屋に入ってきたのは恋人のクリス
ナナは部屋に飾られてある時計に目をやった

「忙しいなら毎日来なくてもいいのよ…」
「まぁ…今日は確かにあと少ししかいられないが、1分でも時間があるならナナに会いたいからな」

クリスが来た時間帯は面会時間終了まで後10分程だった
そう彼は少しでも時間があれば必ずナナに会いに来ていた
嬉しい反面、それはナナにとってとても辛かった

「今日…検査の結果出たんだろ?どうだったんだ?」
「………」
「ナナ?」

クリスの言葉にナナは顔を俯かせた


ナナは現在病気で2年以上入院している
彼女の病気はどんどん悪くなるばかりで全然いい結果が出ない
正直に言うと薬でなんとか命が持っていると言ったところだった
そして今日の検査結果で言われたのは最悪の結末だった

「クリス……」
「ん?」
「……別れましょ、わたしたち」

彼女の言葉にクリスは目を見開いた
そしてナナの両肩をがっしりと掴んだ

「何を言い出すんだ」
「……わたし、もう後数ヶ月しか生きられないって言われたわ…貴方に私が死ぬところを見せたくない」
「なら余計に別れたくない」

クリスはナナを抱きしめた
病気でずいぶんと痩せてしまった彼女を気遣う優しい抱擁

「死ぬまでナナを一人にさせたくない…せめて俺と一緒に過ごして少しでも生きていてよかった…幸せだったって感じさせてやりたい」

幸せなら十分に感じている
ナナは一筋の涙を流した

「だから最後まで側にいさせてくれナナ」
「……バカな人、わたしのことなんてさっさと忘れた方がいいのに…っ!」



(貴方との幸せを夢見て、今日も眠りにつく)


クリスなら1分でも時間があるなら会いに来るでしょう。そしてヒロインが死ぬと分かっててもいずれ別れるとなっても最後まで側にいて彼女を守る。それが男クリスですww
リビドー
110628


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