愛をいっぱいもらった私


何度も夢なんじゃないかと思った


真っ白なウエディングドレスに身を包み、綺麗にメイクされ準備は万端だ
ガチャリと開かれた扉の音に今日の主役――ナナがそちらを見た
そこには彼女の友人のジルとレベッカがいた
二人はナナの姿を見てわぁっ、と思わず声を上げた

「素敵ですナナさん!」
「綺麗よナナ」
「ありがとう…二人とも」

二人に言われて少し照れくさそうに微笑んだ
そしてレベッカがナナの耳元に近づいてきた

「これならきっとクリスさんも喜びますよ」
「! レ、レベッカったら…」
「そういえばクリスのタキシードもなかなかよかったわよ」

照れて赤くなるナナにレベッカとジルが楽しそうに言う
そしてナナはクリスのタキシードと聞いて思わず想像してしまう
きっととても素敵なんだろうと……
その時扉がノックされた
ジルが扉を開けて彼女は少しその人物に話してから戻ってくる

「ナナ、クリスが来たわよ……じゃあまた後でね」
「え…?」
「それじゃあ失礼します」

ジルとレベッカはそそくさと部屋を出て行く
そして数秒後扉がノックされた
ナナはドキッ、と鳴った心臓の音を聞き姿勢を正す

「どうぞ…」

ナナの声を聞いたクリスはゆっくりと扉を開けた
クリスの姿をナナが先に捉えた
そしてクリスもナナの姿を見つけ目が合った
クリスは驚いたような表情でジッと見つめる
その視線にナナが耐えられなくなって思わず俯いた

「ク、クリス……あんまり見ないで」
「あ…すまない…」

ナナの言葉にようやく我に返ったクリスも視線を反らした
そしてナナの元へ近づく
座っているナナは彼を見上げる形になり、クリスを見つめる
彼は優しく微笑んでいた
クリスはナナの頬に優しく触れて彼女の額にキスを落とす
そして親指で唇に優しく触れる

「ここは式場でな…」
「クリス…」
「ナナ」

クリスが突然真剣な表情で彼女の名前を呼んだ
彼を見ていると彼は跪いてナナの手を取った
そしてクリスはナナを見つめる

「俺と結婚してくれてありがとう」
「っ……」

ナナは思わず口元を押さえた
クリスはナナの手の甲にキスをして彼女の手をそのまま自分の頬へと持って行く

「幸せにする…一生大事にするよ」
「クリス…っ!」

涙を流しながらナナはクリスに抱きついた
優しく抱きしめながらまだ泣くのは早いだろ、とクリスは苦笑した
好きな人からこんなに幸せな言葉を言われて泣かない訳がない


そして
大切な仲間に見送られて式を挙げた


とてもとても大切な日になりました





クリスのタキシード姿は絶対カッコイイさ!
君に愛しいkissを
100808


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