星の瞬きより速く


「ちょっとしゃべってただけよ。ホントよ」

自分の顔の横に両手をつけられて逃げられないようにされている
ナナ困ったように彼――レオンを見上げればムッとした表情をして自分を見下ろしている
ナナはレオンを落ち着かせるように彼の手を軽く撫でる

「本当にくだらない事をしゃべってたの」
「本当か……?」
「えぇ。それに向こうだって私にその気はないわ」

そう話は数分前になる
レオンを待っていたナナは一人で店の中を歩き回っていた
その時に学生時代の友人の男と他愛もない会話をしていた
もちろんその友人には自分には男がいる事も知っていたし、向こうにだって彼女がいるのだ
しかしレオンからすればおもしろくない話だ

レオンはヤキモチを妬いているのだ


「ふふっ…レオンってば見かけによらずすごくヤキモチ妬くのね」
「自分の女が他の男といるのは楽しくないんだ…」
「でもそこまでヤキモチ妬くもの?私だったら妬かないと思うけど……」

ナナの言葉にレオンは体がピクリと反応した
そしてナナの方を向いてニヤリと笑う

「本当か?本当にナナはヤキモチを妬かないんだな?」
「え、えぇ…レオン程にはならないわ」
「その言葉覚えとけよ」

何を言ってるのかしら、とナナは呆れた様な顔をする
レオンに手を引かれてナナのお気に入りのカフェへとやって来た
空いている席に座りレオンにいつもの、と言えば彼はあぁ、と答えて注文しに行く
なんとなく彼が気になり目で彼を追う
いつも通りに店員に注文する彼、先程の言葉が気になるせいだろうかずっと見ているナナ

その時だった

やたら胸元の開いた女性がレオンに言い寄っている姿に出くわした
だが今回が初めてという訳でもないので特に気にしていなかったのだが、今回はいつもと違っていた
レオンが女性を追い返そうとしないのだ
逆に女性の話を楽しそうに聞いている、ナナはズキリと胸が痛んだ
あのような優しい微笑みは自分にしか見せないのだと思っていたのだがそれが今は他の女性に向けられている
やがて女性がレオンの体に触れてきた

「やめてっ!!!」

ナナは椅子から勢いよく立ち上がって大声で叫んだ
カフェの中にいる人々が一斉に彼女に視線が集まった
叫んだナナがレオンに視線を送ると彼はニヤリと意地悪く笑ってこっちを見ていた
彼の笑いにハッとなった

しまった

レオンにヤキモチを妬かないと言っていた自分がヤキモチを妬いている
これもすべて彼の計算なのだとしたら
ナナはゆっくりと椅子に腰を下ろした
女性をいつものようにあしらってレオンは席に戻ってくる
カップをナナの前において自分も椅子に座る

「驚いたな。あんな風に大声で叫ぶなんて」
「……ずるいわよレオン」
「少しは俺の気持ちがわかってくれたか?」

勝ち誇った笑みでカップに口をつけるレオンにナナは悔しそうにしながら同じようにカップに口をつけた





初のレオン夢。口調がわからない…レオンに意地悪されても許せちゃいますw
約30の嘘
100531


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