頬を撫でる優しい言葉


何か音が聞こえる…


ナナは起きたばかりの頭の中でその音を聞いた
がさごそと何かが聞こえる、それは今自分が寝ている部屋ではない
隣の部屋から聞こえてきた
まぁいいか、と枕を整えてから寝返りを打ち、目を閉じた
しかしその目は再び開けられた

「クリス……?」

昨日隣で寝ていたはずの彼が居ない事に気がついた
だとすれば先程から気になっている音は彼だろうか…?
ナナはだるそうに体を起こした、時計を見れば朝の7時になったところだ
彼がこんなに朝早く起きるのだとしたら任務でも入ったのだろうか?
とにかく確かめるために音のする部屋へと向かう


隣の部屋に行けばそこにはクリスがいた
やはり彼は荷造りをしていた

「クリス……」
「!ナナ…起こしたか…?」

ナナに気づいたクリスは手を止めて微笑んだ
近づいてきた彼女の顔を両手で挟み、瞼の上にキスをした

「まだ寝ててもよかったんだぞ?」
「……そうもいかないわ、結構うるさかったのよ?」

それを聞いてクリスはすまない、と困ったように笑った
そしてナナの視線はすぐにクリスが荷造りしている鞄に目が行く
それに気づいたクリスは苦笑した

「…出かけるの?」
「……あぁ、君が起きたら話そうと思ってたんだ」

クリスの瞳が少し濁ったのをナナは見逃さなかった
すぐに彼に抱きついてその厚い胸に顔を埋めた
あの瞳をした彼はきっと任務に行ってしまう、それもかなり危険な任務
だからこそ申し訳なさそうな顔をするのだ
クリスは抱きついてきたナナを抱きしめた

「……ナナ、俺は明日アフリカに行く」
「アフリカ…?どうしてそんな所へ…?」
「……が、彼女がそこにいるかもしれないんだ」
「彼女?」
「……ジルだ」

クリスの言葉にナナの目が見開いた

クリスの相棒だったジルは死んだといわれていた
ナナもジルの事をよく知っていたし、一緒に買い物にも行ったことのある仲だ
そのジルがアフリカにいるかもしれない……だが

「…どうしてクリスがわざわざ行くの?」
「………」
「アフリカにいるBSAAに任せればいいじゃない!どうしてクリスが行くの!?」

ナナは叫んだ後我に返って口元を押さえた
ジルはクリスにとって大事な相棒
クリスが探しに行きたいのは当然の事だろう、だが…どうしても嫉妬してしまう
自分にとってもジルは大事な存在だ
アフリカにいるのかもしれないなら、ぜひ探してきて欲しい

「ナナ……」
「ごめんなさい…クリス、私…っそんなつもりじゃ…」

ナナは俯いて涙を流す
そんな彼女の顔を上げさせて、クリスは優しく微笑んだ

「ナナ愛してる」
「クリス……」
「愛してるのはお前だ」

ぎゅう、と力強くナナを抱きしめる
同じように抱きしめ返して頷いた

「だがジルも大事な相棒なんだ……必ず彼女を見つけて無事に二人で帰ってくる」
「…うん」

先程までずいぶんと嫉妬していた醜い感情があったというのに
彼の言葉一つでその気持ちはどこかに消えてしまった
今なら素直に彼を見送る事が出来る

「私……待ってるわ。ジルが帰ってきたらパーティしなくちゃね」
「ありがとう……ナナ」

クリスは彼女の柔らかい唇にそっと口付けた
そして彼女の耳元で小さく囁いた
その言葉にナナは顔を赤くさせた

「クリス……!」
「嫌か?」
「っ…ううんっ!」

ナナは首をぶんぶんと横に振る
そして再び彼の胸に顔を埋めて、そっと涙をこぼした


――帰ってきたら…俺と結婚してくれ





クリスの事は知ってはいたんですがそんなに興味はなかったんです。一番はレオンでした、けどバイオ5でのクリスにはノックアウトされてしまいましたww
それでなんか夢を書きたいなぁーと思いながら4ヶ月ぐらいでようやく書きました。んでまぁちょっとジルに嫉妬してしまう感じの夢になってしまったんですけど…
クリスの口調がよくわかりませんでしたwwそんなにしゃべらないキャラでもないですしね、もうちょっと勉強してこよう!
確かに恋だった
090705


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