あなたが他の人を愛すのに、酷く嫉妬するのです。


ナナの様子がどこか変だ。ダンテは洗濯物をたたんでいるナナをチラリと見ながら頭の隅で考える、彼女の様子が変わったのは昨日依頼を終えて帰ってきたときからだ。相棒のトリッシュに対してもぎこちない感じだった

「ナナ、何かあったのか?」

ダンテの言葉にナナは動かしていた手を止めたが、ダンテをチラリと見ると

「…なんでもないよ」

と一言答えた。明らかに何かあった答え方だ、ダンテは苦笑いするとソファーに座っているナナの元まで行き彼女を抱き上げると、机の上に座らせた

「なんでもない…って感じじゃないだろ?」
「………」
「言ってみろよ、ベイビー」

ダンテに顔を覗き込まれ、ナナは机の上にあった写真を指差す。ダンテが覗き込んで見てみるとそこにあった写真は自分の母親の写真、ダンテは首を傾げる

「その写真がどうかしたか?」
「……ダンテ。初めて付き合った人って私なんだよね?」
「そうだぜ」
「……それ本当は嘘なんじゃない?本当はこの写真の人と付き合ってたことがあって、今はトリッシュと……」

ゴニョゴニョ言うナナにダンテはすべて理解した。嫉妬しているのだ、そういえば彼女に母親の事を話していなかった。それにしても嫉妬してくれているとは…ダンテは喜びを隠さずにいられなかった
ダンテは彼女の足を開かせ、その間に体を入れてナナの顔に近づく

「嫉妬か?ナナ」
「そ、そんなんじゃ……」
「話してなかったけどな…この写真の人物は俺の母親だ」
「母親……?」
「それに…トリッシュはただの相棒だ。それ以上の感情はない」

ダンテの言葉にナナは思わず顔が赤くなる。すべて自分の勝手な思い込みで勘違いしていたのだと、それを理解したこの男はさぞ嬉しそうな顔をして私を喜ばせる言葉をたくさん言うのだろう

「かわいいなナナは」

ダンテはククッと笑うとナナの額にキスを落とす

「ご、ごめんねダンテ…勝手に誤解しちゃって」
「全然。むしろ嬉しいぜ…ナナの嫉妬なら大歓迎だ」

ダンテはナナの背中に手を回し、そのまま机の上に押し倒す。そしてナナの額と瞼にキスを落とす

「な、なんで?」
「嫉妬するって事はナナが俺を大好きだって事だからな」

ダンテはナナに深いキスを送った





確かに恋だった
081101


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