幸せそうで、見ているこっちまで嬉しい


「あ?ここはどこだ?」

先程まで自分は依頼があって、夜の街の中悪魔を退治していた
そしてあちこちの建物を飛び回っているといつの間にか昼の世界の空間にいた

「……おかしいなさっきまで夜だったのに、ここは事務所の近くのスラム街だよな?」

周りの建物を見て呟く。見覚えのある建物だがどこか雰囲気が違う…
若子こと(3)ダンテは自分の事務所に向かう事にした

「変な感じだぜ」


自分の事務所につき、中に入ってみる
事務所の汚さは変わらず、若ダンテは苦笑いした

「間違いねぇ…俺の事務所だ。悪魔を倒してるのに夢中になりすぎて昼になったのに気づかなかったのか?」

そんな事を呟いた。そしてふと、人の気配を感じて2階を見上げる

「……誰?」

下での物音に気づいたのかナナが階段から顔を覗かせて若ダンテを見る

「それはこっちのセリフだぜ。アンタこそ俺の事務所で何してるんだ?」
「俺の事務所…?貴方こそ何言ってるの?ここはダンテの事務所よ」
「だから俺の事務所だって言ってんだろうが」

若ダンテの言葉に首を傾げるが、彼の服装を見てみる
赤いコートに愛用の銃、そして白髪の髪の毛

まさか……

「あなた…ダンテ、なの?」
「あぁそうだぜ。てかなんで俺の名前を知ってるんだ?」
「知ってるもなにも…その、あなたと結婚してるから」

ナナの言葉に若ダンテはポカンとなる


なんだって?
俺とこの女が結婚してる?
待て…いつ俺がこんな美人でかわいい女と結婚したっけ?
でもこの女は確かに俺と結婚してるって言ってたしな……
と言うことは……

若ダンテはニヤリと笑うとナナの方を見た

「そうかそうか〜俺の女か、あぁ名前何て言うんだ?」
「ナナよ……きゃっ!」
「ナナ〜結婚してるんだよな…2階に行こうか」

若ダンテはナナに抱きつき彼女を持ち上げるが、ナナが必死に止める

「ま、待って!結婚してるって言っても貴方じゃなくて……」
「あ?……うわっ!!」

若ダンテの眉間に銃の弾があたった。彼はそのまま倒れる

「俺がいない間に手を出すなんてどこの奴だ?」

撃ったのは髭こと(4)ダンテ。愛用の銃をしまい、ナナに近づく

「大丈夫か?ナナ、何もされてないか?」
「う、うん……」
「いってぇ〜」

撃たれた若ダンテが起き上がる。起き上がってきた若ダンテに髭ダンテが目を見開く

「ちゃんと眉間を狙ったのに死なねぇなんて…坊や悪魔か?」
「残念だったな?俺はこんぐらいじゃあ死なねぇぜ」

が、二人はお互いを見て固まった

「おいおい…なんで"昔の俺"がココにいるんだよ…」
「俺と同じ武器を持ってる…?」

髭ダンテは苦笑いしながら、若ダンテは驚きながらお互いを見る
ナナが口を開いた

「やっぱり昔のダンテだったんだね」
「おいどういうことだよ」

若ダンテがナナに聞く

「最初はわからなかったけど…写真で見たことあったの、ダンテの若い頃の……まさかと思ったけど……」
「……俺が二人もいられちゃ敵わないな…」

髭ダンテが若ダンテを見る。若ダンテは自分が未来に飛んできた事に戸惑っていた

「おいお前さっさと出て行け」
「な!」
「ちょっとダンテ…!」
「俺が二人もいるなんて気味が悪い…さっさと元の時代に帰れ」

髭ダンテはそう言うとデスクの上に足を乗せ雑誌を読み始める
若ダンテはイラついていたがナナの腰に手を回し抱き寄せる

「わかったわかった帰ってやるよ……ただしナナを連れてな」
「何言ってんだ。ナナは俺の女だ、お前だけで帰れ」
「オッサンは俺なんだ。つまりは俺の物でもあるってことだよな?そうだよなーナナ」
「え、えーと……」

ナナの髪の毛に指を絡めたりする若ダンテの行動に髭ダンテが立ち上がった

「坊や……痛い目に遭いたくなかったらさっさとナナを離しな」
「オッサンこそ年なんだし無理するなよ。ナナにはあんなオッサンより若い俺のほうがいいに決まってるぜ」
「てめぇ!」

とうとう怒った髭ダンテが若ダンテに掴みかかる

「この野郎っ!」
「1から根性叩きなおしてやるぜ、坊や」

頬を引っ張ったり、髪の毛を掴んだり…大喧嘩になるかとナナは心配したがこの様子だと大丈夫そうだ

(自分相手にケンカするなんて……)

変なの、とナナはクスリと笑ったが次の瞬間急に吐き気が催してトイレへと走って行った

「ナナ!?」

髭ダンテがすぐに気づいて若ダンテを突き飛ばすと後を追う

「なんだよ…一体?」

若ダンテも慌てて二人の後を追った


「うぅっ……」
「大丈夫かナナ…」
「もう大丈夫…平気よ」

髭ダンテが心配そうな顔をしながらナナの背中を撫でる
その様子を見ていた若ダンテが口を開いた

「……まさか、子供がいるのか?」

若ダンテの言葉に二人が頷いた

「あぁ…」
「この前病院に行ったらわかったの、私もダンテもすごく楽しみにしてるの」

ナナの微笑みに若ダンテはふ、と笑うとその場を去ろうとする

「帰るわ」
「帰り方わかるのか?」
「あー…なんとかなるだろ」

髭ダンテの言葉に若ダンテは笑って言った

「まぁ未来にはこんなにいい女がいるってことがわかったしな、ちゃんと守れよオッサン」
「言われなくてもわかってるさ」

髭ダンテの言葉に若ダンテは微笑む、そして事務所の扉を開けたとき

「あ、忘れてた」

若ダンテはナナに近づき、しゃがむとお腹に自分の頬を当てた

「じゃあな未来の俺のベイビー、元気に生まれて来いよ」
「ダンテ……」

若ダンテの優しい言葉にナナは微笑む
そして若ダンテは腰を上げるとナナにキスをした

「な!?」
「じゃあな未来の俺のハニー」

若ダンテはナナに微笑むと事務所の扉を抜け出し、そのまま消えた

「なんだったんだ…一体」
「不思議な事もあるんだね…過去のダンテに会えるなんて……」
「頼むからもう来ないでくれよ、もう一人の自分に会うなんて気味が悪い」
「あら、楽しそうにじゃれてたじゃない」

ナナの微笑みにむ、となったが彼女の顎をつかむ

「俺より…若いアイツのがいいって思ったか?」

ダンテの言葉にナナはポカンとなったが、すぐにニヤリと笑い

「何?過去のダンテの言葉が気になってたの?」
「な…別にそんなんじゃねぇ…」

ダンテの慌てる仕草にナナがクスクス笑う

「若い頃のダンテも可愛くて好きだけど、私は"今"のダンテが好きなのよ」
「ナナ……」

ナナの言葉に微笑み、軽くキスをする

「そういや過去の俺にキスされてたな」
「え?」
「もう1回だ、ちゃんと消毒しとかねぇと」
「もう…」

今度はダンテはナナに深いキスを送った





4D主←3Dというのが書きたかったんです4D前提で色んなダンテとまた絡ませたいな…
確かに恋だった
080826


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