ハニーフェイスに一目惚れ


数時間前のこと
愛する妻は買い物に行き、事務所にはダンテとナナの二人だけになっていた
ダンテはいつもの様に机の上に足を乗せて、雑誌を読んでいた
すると赤いコートが引っ張られ、そちらに視線をやるとナナが両手でコートを引っ張っていた
「どうした?」と問いかけると地面に置いていた絵本をダンテに差し出して来たのだ
ダンテは娘を抱き上げてソファーに移動し、絵本を読んでやった
そして冒頭に戻るのだが――……

「ナナにもおうじさまくる?」

ナナの発言にダンテは思わず目を丸めた、がすぐにニッと笑い

「ナナの王子様はパパだろ?」

と抱きしめて耳元で囁いてやる
それを聞いてナナはパッと笑うと、同じようにダンテに抱きつく

「うん!ナナのおうじさまはパパ!」
「パパの嫁になるんだもんな?」
「うん!パパだいすき!」

かわいい娘の答えにダンテは口の端を上げずにはいられない
その時、事務所の扉が開く音がした
思わずダンテはナナを自分の背中に隠したが、訪問客を見てすぐにそれをやめた

「なんだ坊やか」
「坊やって言うんじゃねぇよ」

そこには教団服を身に纏ったネロがいた
彼はあの事件から教団を自分の力で立て直し、クレド亡き今は自分がリーダーとなってみんなを引っ張っていた

「しっかし坊やが教団服を着てると、何か違和感があるな」
「うるせぇよ…」
「今日は何しに来たんだ?俺の愛するハニーなら今はいないぜ」

ネロはそれを聞いて少し残念そうな顔を見せた

数年前ダンテの嫁である彼女がネロは好きだった
ダンテの事務所に来ては猛アタックしていたが、それも叶わず見事に敗れてしまった
そんな彼女も今では子持ちの主婦だ

ふと視線を感じたネロは下を見た
そこには自分の事じっと見つめているナナの姿があった

「どうしたんだ?」
「ネロのふく、おうじさまみたい」

それを聞いたダンテがさっきの絵本の絵を思い出す
言われて見ればあの王子の絵は白い服を身に纏っていた
それがちょうど今ネロが着ている服と似てない事もなかった

「王子様?ハハッ!ありがとうナナ」

ネロがかがんでナナの頭を優しく撫でる
それに嬉しそうにナナは微笑んでネロに抱きついた

「ネロかっこいい!おうじさまってネロのことだったんだね」
「! お、おいナナ…?」
「ナナのおうじさまはネロ、ネロとけっこんする!」

ナナの言葉にダンテがショックを受けていた
ネロは何がなんだかわからなかったが、やがてニヤリと笑うとナナを抱き上げた

「そうだな…俺もナナが俺のお姫様だと思うよ。結婚しようか」
「何言ってんだ坊や!ナナ!ナナの王子様はパパだろ!?」
「ううん、ネロ。パパはママのおうじさまでしょ?」

ちがうの?と聞かれてダンテは言葉を詰まらせる
ネロは「あってるよ」とナナの頭を撫でる
そしてネロはダンテに向けてニヤリと笑うと

「アンタの嫁は無理だったけど、娘は貰うぜ。ナナを嫁にしたらみんな家族になれるんだよな」
「……坊や、それはさせねぇぜ」

ダンテは立ち上がり目にも見えぬ速さでナナを奪い返した
それに驚いていたネロだったが、すぐに愛用のブルーローズを構えた

「久しぶりの勝負だな…ダンテ。ナナは貰うぜ」
「悪いが…坊やとナナの結婚は認めないぜ」

ダンテはナナをソファーの上に下ろして、その小さな額にキスを落とす
そして自身も銃を取り出し、ネロに向けた

「どちらがナナの王子にふさわしいか決めようじゃねぇか」

と楽しそうに笑って言った





パパ4ダンテと2ネロの設定で書きました。あ、ダンテの奥さんも夢主ですが今回は出しませんでした。なんか4ダンテが子供に絵本を読み聞かせてたら萌えるなぁ〜、となり書きました
そんで娘だったら絶対に「パパの嫁になるんだろ?」とか言っててかわいがってたらいいよ。奥さんも娘もどちらも大事なんです
2ネロが今回ちょっと黒かったですねww2ネロは4の時よりはちょっとは大人しくなっててたまに口癖が悪くなってたらいいな、今は自分が教団を引っ張っていく立場になっててもいいなー、それか変わらず単独行動ばかりしてたらいいですよねぇ
今回のネロはダンテの嫁が好きだったということで
ルゼル→エトワール
090503


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