ショコラよりも甘いのを頂戴


「あら?ナナじゃない」

街角で紙袋を持っているナナを見つけてレディが声をかけた
レディに気がついた彼女は紙袋から顔をのぞかせて微笑んだ

「こんにちはレディ」
「今日は随分買ったのね、どうしたの?」

レディが紙袋の中を覗き込んだ、チキンや野菜…それにワインまで入っている
ナナは少し頬を赤くさせた

「今日はね……ダンテと結婚して1年経ったからねお祝いしようと思って」
「あぁ…それで」

だがナナは少し悩んでいた、ダンテは今朝起きてもいつも通りで二人が出会って1年経った事など何も言わずに仕事に出て行ってしまった

「記念日とかしたいと思ってるのは私だけなのかな…」
「可哀想な事を言うかもしれないけれど…あの男はそういうの覚える方なのかしらね」

うーん、とナナは唸っていたが、顔を上げる

「ダンテの事信じて待ってる」

まっすぐな瞳で優しい微笑で返すものだからレディはナナの頭に手を置いた

「ホント…あの男に貴方はもったいないわ、アイツが帰ってこなかったらアタシがお祝いしてあげるわ」
「ありがとう、レディ」

レディにそう言ってナナはその場を離れた





******

数時間後
夕食の準備を終えたナナがダンテを待っていると事務所の扉がノックされた
お客さんが来たのだろうか?と扉へ向かい開けた
すると彼女の視界に入ってきたのは真っ赤に染まった赤い薔薇

「ただいまナナ」
「ダンテ!?どうしたの…これ」

赤い薔薇の花束の向こう側からダンテが顔をのぞかせた
ナナは驚いて薔薇の花束に指をさした

「今日はナナと結婚して1周年だろ、babyにプレゼントだ」
「…ダンテ、覚えててくれてたの?」
「愛するお前を俺の物にした日だぜ?忘れる訳ないだろ」

ダンテの言葉にナナは胸が熱くなった、自分だけではなくてダンテも夫婦になった日の事をしっかりと覚えていてくれた
ダンテは薔薇の花束をテーブルに置くとナナを抱き寄せて口を塞いだ

「今夜はたっぷり愛してやるからな、覚悟しとけよ?」





1122はいい夫婦の日ということで結婚した記念日はちゃんと覚えてるよ!っていう話でした。記念日は忘れていない夫ダンテでした
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111120


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