ずるいなあ、本当


珍しくダンテが夕飯の前に帰ってきた
先に風呂に入るということになりナナから子供達も一緒に入れてやって欲しいと頼まれた、本当なら一人でゆっくりと入りたいと思うところだが自分とナナから生まれた愛する子供たちのためなら喜んで引き受けた

「ギルバ、服はそこに置いておけよ」
「トニー!裸でウロウロしないの!」

ダンテはギルバを先に風呂に入れる、そしてナナからトニーを受け取って一緒に風呂に入った
ギルバとトニーは双子だ。兄のギルバはとても聞き訳がよい、そこは自分の兄のバージルに似ているようだ、弟のトニーは手が焼く。目を離せばすぐにどこかに行ってしまうようなやんちゃな男の子だ

「トニー背中を向けるんだ」
「パパ、はやくおふろからでたいー!」
「駄目だ。ママに怒られるぞ」

ぶぅ、と頬を膨らますトニーにダンテは苦笑した。トニーの身体を洗ってやると次はギルバの身体を洗ってやる。二人の体を洗い終えると同時に湯をかけてやり泡を洗い流してやると2人を抱き上げて湯船につかった
ダンテの体が大きい為、双子の子供達は彼の足の間に入るという形になる

「今日は何してたんだ?」
「きょうはねーままとかいものにいったの」
「トニーまたまいごになったんだよ」
「トニーまたか!困ったやつだな」

トニーの頭をぐりぐりと撫でてやる、そうすれば嬉しそうに微笑んだ
あぁその微笑みは妻のナナに似てそっくりだ、とダンテも自然と頬が緩んだしとても愛しいと感じた


***

夕食を食べ終えてダンテは子供達の部屋を覗き込んだ
見れば絨毯の上にナナと双子の子供達がいた、トニーは母親の膝の上に乗りギルバは後ろから抱きつく形になっていた。自分にも懐いてくれている方だがそれでもやっぱり母親の方が大好きなのだ
ダンテは目を細めて3人を見つめていた、そういえば遠い昔自分もああやって双子の兄と母親に引っ付いていたこともあったなと…そして父が「本当に甘えん坊だな」と笑っていたこともあった

「さぁそろそろ寝ましょう」
「やぁだ、ねたくない」
「まだあそぶー」
「駄目だぜ、babyたちは眠る時間だ」

ぐずる子供達をそれぞれ片手に抱き上げてダンテはベッドへと降ろす
ベッドに入ってもしっかりと目を開けている双子達

「ねたくないー」
「寝ないんだったら明日遊んでやらねぇぞ?」
「!!ぱぱあしたいるの!?」
「あぁ」
「ねるねる!おやすみなさい!」

仕事でいないダンテが明日はいることがわかると双子達はすぐに頭までシーツを被った
その行動にナナも思わずくすくすと笑った
ダンテは彼女の背中を押して部屋から出る

「可愛いな」
「えぇ本当に…可愛いわ」
「まぁ俺とナナの子供だしな」

当然と言えば当然だ、とダンテは言った。ナナは少し照れくさそうに笑いながら寝室へと向かった
2人でベッドに入りながらダンテは背中からナナを抱きしめた
ピクリ、と彼女の体が反応する

「ダンテ…?」
「…もう一人作ってみないか?」
「え…!?」

ダンテの言葉にナナは顔を赤くさせた、彼はニヤリと笑っている
だが彼女は頬を膨らました

「…シたいならシたいって言えばいいじゃない」
「それもそうなんだが…俺は真面目に言ってるんだぜ?」
「ダンテ…働いてきてくれるの?子供が一人増えたらもっと働いてもらわないといけなくなるわよ」

今でさえ生活費が危ないときがあるのに、とナナは言った
更に言葉を続けようとするナナの唇を塞いだ

「まぁなんとかなるだろ」
「もう…」






時々4ダンテで家族系が書きたくなるときがあるんです。そして4ダンテはパパが似合う
誰そ彼
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